Ver.黒曜・リング編
□隠された秘密
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瑠璃「だ・・・」
洋一「誰だ、お前・・・?」
薄暗いテントの中、自分達の前にいる水色の少年に問いかける。
少年は微笑したまま、口を開いた。
智「初めまして、俺の名前は咲野智。この占い師の本体であり、〈参加者〉の1人だよ」
瑠璃・紗那・洋一・海斗「「「「!?」」」」
希「そう、らしい・・・」
瑠璃「そうらしいって・・・」
海斗「占い師の人が〈参加者〉かもしれない、というのは考えていましたが・・・本体、というのは知りませんでしたね」
洋一「わ、悪ぃ、皆・・・。色々なことがあり過ぎて、俺、ちょっと頭がショートしそう・・・・」
両手で頭を押さえて横に振る。
急に智がそんな自己紹介をあっさりして、意味が分からないのは他の4人も同じだろう。
そんな彼等を見て、智はクスクスと笑う。
智「順応力がないね。別に俺のことは深く考えなくていいよ。〈参加者〉って言ってもただの占い師なんだから」
紗那「そんなにすぐに飲み込めないよ〜」
智「風花未来は飲み込んでくれたけどな〜」
海斗「!未来さんとその姿で会ったことがあるんですか?」
智「彼女だけじゃなくて、君達とだって何度も会ってるよ」
瑠璃「え、ウソ?」
智「ホント。俺は並中の生徒で、去年は1−C、今年は2−Bだから」
洋一「・・・・・・」
ボンッ!!!
瑠璃「Σついに洋一の頭がショートした!?」
紗那「洋一君、しっかり!!」
智「アハハ、大丈夫〜?」
海斗「バカは放っておいて・・・」
瑠璃・紗那「「(篠原/君、酷い!)」」
海斗「質問を変えます。未来さんと接触したことがあるんですか?」
智「ん〜・・・占い師としてなら何度もあったね。本体としてなら、1ヶ月前に1度だけ。
彼女には、去年から俺が〈参加者〉で本体だって見抜かれてたみたい・・・(苦笑」
希「(風花は、どこまで俺達の先にいるんだ・・・)」
智「俺は君より彼女のことをよく理解してるって自信があるよ」
水晶を弄びながら、不敵な笑みを浮かべる。
海斗「、(ムッ」
智「な〜んて、ね。そんな怖い顔しないで」
瑠璃「(こいつ絶対確信犯だ・・・!)」
智「俺は君達の敵じゃない。どちらかというと味方かな?」
海斗「信用出来ませんね」
智「必要な予言をしてあげたのに?」
海斗「・・・・・・」
瑠璃「ところで、どうしてうち等をここへ呼んだの?」
智「外は危険だからだよ。さっき襲われたので分からなかった?
あのままスペルビ・スクアーロと一緒にイタリアに行ってたら、他のディスペラーレの連中に殺されてたよ」
紗那「な、何でそこまで知ってるの〜?」
智「そーいう〈能力〉だから」
海斗「あなたは今起こっていることを知っているんですか?」
智「知ってるって言えば知ってる。けど、知らないって言えば知らない」
希「やや、こしい・・・な」
智「職業柄、こーいう言い回しがクセになっちゃってね(苦笑
でも大丈夫、君達が知りたい情報はもうすぐ来るから」
瑠璃「もうすぐ・・・?」
智「後36秒・・・」
目を閉じ、彼はカウントダウンを始める。
皆はそれを黙って聞いていた。(約1名、頭がショートしてぶっ倒れているが)
智のカウントダウンが残り10秒になった時、入り口の方から人の足音が聞こえてきた。
智「3・・・2・・・1・・・
―――0」
彼がそう言ったと同時に、1人の人物が皆の前に現れた。
それは、彼等がよく知る人物・・・
リン「あれれ?これ、どーいうこと?」
瑠璃「リン!!」
紗那「リン君!!」
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