Ver.黒曜・リング編
□終わりと始まり
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――並盛商店街にて・・・
ハル「あーっ、ツナさん!」
瑠璃「あ、本当だ」
紗那「お〜い!」
3人はコーヒー店に入ろうとしていたツナを引き止める。
ツナ「ハル!東雲さん!谷垣さん!それに・・・」
京子「こんにちは、ツナ君」
ツナ「う、うん・・・。こんにちは、京子ちゃん////」
ハル「ツーナさんっ」
ツナの腕に抱き付いた。
ハル「こんな所で会えるなんて運命です!ディスティニーです!
やっぱりハルとツナさんはハートで繋がってるんですね!そうですよね!ね!」
紗那「ハルちゃんは相変わらずだね〜」
京子「ダメだよ、ハルちゃん」
ハル「はひ?」
京子「ツナ君、退院したばかりなんだから。あんまり振り回しちゃダメだよ」
ハル「はひ!そうでした!」
瑠璃「振り回せ、振り回せ。また病院送りにしちゃえ(笑」
ツナ「Σ東雲さん!?」
慌ててハルはツナの腕を放す。
京子の言う通り、ツナは数日前まで病院にいた。
およそ1ヶ月前の襲撃事件の黒幕、六道骸との戦いで負った傷を癒す為に。
京子「ツナ君、何か困ったことがあったら言ってね。私、いつでも力になるから」
ツナ「きょ、京子ちゃん・・・////
そ、そう言えば、京子ちゃん達は何してるの?こんな所で、ハル達と4人で・・・」
すると・・・
「4人じゃなーいよ!」
ひょこんと、京子とハルの後ろから出て来たのは、人懐っこそうな可愛らしい・・・
ツナ「フゥ太?」
フゥ太「へへっ。僕とお姉達で、美味しいケーキ屋さんランキング巡りしてたんだ」
ツナ「あれ?でも、お前のランキング能力って確か・・・」
フゥ太「大丈夫!お姉達とはずっと前に約束して、ランキング作ってたんだ!
だから、ちょっと遅くなったけど、こうしてケーキ屋さん巡りしてるとこ!」
子供らしい明るい笑顔を見せるフゥ太。しかし、ツナはそこに痛々しいものを感じていた。
彼が、心の底から本気で笑えているとは、まだ思えない。
ツナ「!」
その時だった。
不意に刺すような悪寒がツナを襲ったのは・・・
ツナ「・・・っ」
思わず、自身の体を抱きしめる。
紗那「ツナ君・・・?」
ツナ「(な、何だ・・・これ・・・・?)」
悪寒は一瞬で去った。しかし、衝撃のさめない彼の瞳は大きく揺れる。
更に―――
ハル「はひ!?フゥ太君!?」
倒れそうになった青い顔をしたフゥ太を支える。
ハル「しっかりしてください!どうしたんですか!」
フゥ太「分かんない・・・。急に・・・・・寒気が・・・・」
瑠璃「寒気・・・?」
瑠璃「(それって、もしかして・・・)」
京子「歩けそう?」
フゥ太「うん・・・」
ハル「少し、そこのお店で休みましょう」
フラつく足取りで、フゥ太は歩き出す。
ツナもそれを追って歩き出そうと―――
ツナ「あ・・・」
ツナの目が、それを捉えた。
買い物客で賑わう商店街の片隅―――人波からはぐれ、寂しそうに泣いている幼い男の子の姿を。
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瑠璃「・・・・・・(ボーッ」
ハル「はひ?どうしました、瑠璃ちゃん?」
紗那「ケーキ食べないなら私が食べちゃうよ〜」
京子「何か気になることでもあるの?」
瑠璃「ちょっと、さっきの子が気になって・・・」
京子「あの迷子の男の子?」
瑠璃「うん・・・」
ツナが見付けた男の子は母親とはぐれた迷子だった。
優しいツナは、彼の為に今その母親を探している。
だが瑠璃は、その男の子におかしな異変を感じたのだ。
それはまるで、前に体験したことのあるような・・・嫌な感じだった。
瑠璃「(あの感じは確か・・・黒曜でもあったよーな・・・・)」
獄寺やビアンキ、洋一達が骸に憑依された時と近い感覚だった。
因みに明日は野球部秋の大会の観戦。
マンガでは先程の男の子〈みー君〉に憑依して骸がツナ達の様子を見に来る。
そして今日は公式キャラブックにのっている〈危険なボーイミーツ〉の日なのだが、瑠璃にその知識はない。
故に、無性に心配になったのだ。
瑠璃「(もし、あれが本当に骸だったら・・・?ツナが危ないじゃん!)」
ガタッと席を立つ。
京子・ハル「「瑠璃ちゃん?」」
紗那「瑠璃?」
フゥ太「瑠璃姉?」
瑠璃「ごめん!うち等、ちょっと用事思い出したから帰るね!」
紗那「え?〈等〉ってどーいうこと?」
瑠璃「あ、お金ここに置いとくから!行くよ、紗那!」
紗那「Σえぇ!?まだケーキ半分しか食べてないよ〜!!(泣」
泣き言を言う紗那の腕を掴んで、瑠璃は急いでツナを探しに走った。
自分の考えたことが、外れていますようにと願いながら・・・
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