Ver.黒曜・リング編

□Catastrophe
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未来「ふむ・・・」



やっぱ、紗那には止められなかったか・・・。

ま、最初からこーなるだろーとは予想してたけどさ・・・



紗那がツナ達の間に割り込んだ時、俺がナッポーに睨まれたのは言うまでもねぇ(笑



未来「そんな大切な奴に攻撃しよーとすんのは、一体どんな気持ちなのかね」



紗那に攻撃しようとした時のあのナッポーの顔・・・

ツナに止められると分かってても、スッゲー苦しそうで同時に・・・・スッゲー悲しそうだったな。まるで、泣いてるように。




傷付いて、傷付けて、傷付けられて・・・

そうやって深く深く傷をつけることで、自分や相手の心に存在を刻んでるんだろう。


しっかりと、消えることなく・・・



未来「嗚呼、人間はなんて愚かで脆い生き物なんだろう・・・」



そんな俺の呟きは、ツナと骸の戦いの終わりを告げる。


そして同時に・・・



紗那「骸君!!!」






これから起こる、










―――新たな悲劇の幕開けを告げる。








ツナ「骸・・・死んでないよな?」


リボーン「ったく甘いなお前は」


紗那「大丈夫・・・ちゃんと息してるよ。だから、大丈夫・・・・」


彼女は骸の傍で涙を堪えながらツナ達に言う。








「近付くんじゃねぇびょん!!!」





ツナ「!」



犬「マフィアが骸さんに触んな!!」



紗那「・・・・・・」



ボロボロの体を引き摺って、近付いてくる犬と千種・・・。


そうだよな・・・皆はただ、自分の大切なものを守りたかっただけだよな。

それだけなんだ・・・。ただ、その道が違っただけ。



紗那「犬君!千種君!」


ツナ「な・・・何で・・・・?何でそこまで骸の為に?

君達は骸に憑依されて利用されていたんだぞ」


千種「分かった風な口をきくな・・・」



そして、犬は自分達の過去を語る。


自分のファミリー・・・エストラーネオファミリーに人体実験のモルモットにされていたことを。

外でも中でも仲間が殺されていく地獄・・・。生き延びる道はなかった。


だけど・・・



犬「でもあの人は―――・・・たった1人で現状をぶっ壊したんだ」



その時の骸が2人に指し示したのは、日の当たる道じゃなくて闇の道・・・。


知ってるよ、それでも犬と千種が救われたことも。

知ってるよ、骸が2人の為にリンゴを取って来たも。

全部知ってる・・・。



知ってるけど、俺はこいつ等の為に何もするつもりがない。


俺は、未来が変わることを望んでねぇから・・・









○紗那視点○



犬「それを・・・おめー等に壊されてたまっかよ!!」


紗那「犬君・・・」



知らなかった、骸君達がそんな過去をもってるなんて・・・

知らなかった、骸君達が復讐の為にマフィアを襲ってたなんて・・・

全部知らなかった・・・。


知らないのに、何も知らないのに私はあんなお気楽なことを言っちゃった。骸君達の想いを最後まで踏みにじった。


私は、未来を変えることも骸君達の力になれることも、何も出来なかった・・・。



紗那「(ごめんなさい・・・)」



その心の中の謝罪と一緒に、涙が零れ落ちる。

泣きたいのはきっと犬君達の方なのにね・・・。


私は・・・どこまでも嫌な女だ。



ツナ「でも・・・俺だって・・・・仲間が傷付くのを黙って見てられない・・・」


紗那「(ツナ君・・・)」


ツナ「だって・・・そこが、俺の居場所だから」


犬「ぐっ!」


千種「・・・・・・」




未来「あぁ、そうだな・・・」


舞台から降りて、皆の許へやって来る。


未来「どっちも間違ってねぇよ。どっちが正しいとか、どっちが間違ってるとか・・・きっと理屈じゃねーんだ」





すると・・・






  ガチャン!!





紗那「え・・・?」



突然、犬君や千種君、骸君の首に鎖のついた首枷がつけられた。



紗那「(何・・・?誰?誰がこんなことするの・・・・?)」



その鎖の先に視線を向ければ、黒い服を着た包帯人間・・・。

誰なの・・・?



リボーン「早ぇおでましだな」


未来「まったくじゃの」


ツナ「い・・・一体誰!!?」


リボーン「〈復讐者(ヴィンディチェ)〉・・・マフィア界の掟の番人で法で裁けない奴等を裁くんだ」


紗那「!それって・・・!」



骸君達を連れて行くってこと!?


私がそれを止めようと手を伸ばせば、その手を未来に掴まれる。

未来を見れば、目を閉じて首を横に振るの。



どうして・・・?




未来「―――には、なんだよ」


紗那「でもっ・・・!」



そうしてる間にも骸君達は引き摺られて連れて行かれる。



ツナ「ちょっ・・・何してるんですか!」


紗那「待って!連れて行かないで!!」


リボーン「止めとけ」


ツナ・紗那「「!?」」



骸君達を連れて行った黒い3人組は、そのまま何処かに行っちゃった。



紗那「そんな・・・」


リボーン「奴等に逆らうと厄介だ・・・。放っとけ」


ツナ「お前がそこまで・・・そんなにヤバイの・・・・?」


未来「、」


ツナ「あ、あの3人どーなっちゃうの?」


リボーン「罪を裁かれ罰を受けるだろーな」


ツナ「ば・・・罰って・・・・?」


リボーン「さーな。だが甘くはねーぞ。俺達の世界は甘くねーからな」


ツナ「・・・・・・」






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