Ver.黒曜・リング編
□激突と衝突
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骸「援軍、ですか・・・」
希「いや・・・
通りすがりの、ただの、一般人だ・・・・」
瑠璃「Σ真顔で大嘘つくな!!」
希「ウソじゃ・・・ない。俺、力のない・・・・一般人。
ピクニックに、来ただけ・・・。ほら、弁当・・・・」
風呂敷で包まれた重箱を掲げて見せた。
瑠璃「ΣΣ皆が死闘繰り広げてる間に、お前は呑気に弁当なんか作ってたのか!!」
希「呑気・・・違う。せっせと、作ってた・・・・」
盾を指輪に戻して指にはめながら言う。
瑠璃「どっちでもいいわ!!(怒」
戦ってケガしてるうち等がバカみたいじゃん!
しかもこいつ、軽くシリアス壊してるし・・・!
希「傷だらけ・・・だけど、元気、そう・・・・だな。
それだけ、騒いで・・・つっこめ、たら・・・・大丈夫だ」
瑠璃「如月がつっこませてるんでしょ!っていうか、今の状況ちゃんと分かってる!?」
希「ああ・・・分かってる。ナッポーが、谷垣を・・・・攫おうと、してる。
それで・・・最下位が、負けた・・・・感じだ」
瑠璃「そこまでは理解しなくていいから!」
こいつはっ・・・!
人が気にしてることをピンポイントで突いてきやがって!
骸「誰がナッポーですか、誰が」
瑠璃「(Σうちだけじゃなく骸まで気にしてるとこ突かれたの!?)」
希「俺・・・ケンカ、強く、ないから・・・・谷垣を、助けられそうに、ない・・・。
だから、頑張って・・・くれ、最下位」
瑠璃「男としてそれどーなの!?っていうか、ケガ人にそれ頼む!?」
骸「(本気なのかウソなのか、掴めない人だ・・・)」
骸「騒いでいるところ悪いですが、僕はそろそろ行かせてもらいます。
いつまでもあなた達に付き合っている程、暇ではないので」
希「見逃して・・・くれる、らしいぞ、最下位・・・・」
瑠璃「お前は黙れ!!よく見なよ!紗那連れてく気満々でしょ、あいつ!!」
希「・・・谷垣に、何か・・・・酷いこと、するのか?」
骸「いいえ、全く」
希「だって・・・」
瑠璃「〈だって〉じゃない!!そんなのウソかもしれないでしょ!
如月に助けられたら、紗那だって喜ぶんだからちょっとは頑張れ!!」
希「ウソは・・・言って、なさそうだ・・・・。
それに・・・俺達と、いるより・・・・あいつと、いる方が・・・谷垣は、安全だと、思う・・・・」
瑠璃「は?」
何それ?安全ってどーいうこと?
あいつは敵なんじゃないの?何で如月はそんなこと言い切れるの?
希「だから・・・だろ?わざわざ、姿を、現して・・・・ここに、来たのは」
骸「それはどうでしょうね」
希「これ以上・・・人質や、駒を増やす、必要は・・・・ない。
人質が、多ければ・・・足手まといにしか、ならない・・・・からな」
骸「・・・あなたは変わった人ですね」
希「・・・・・風花程では、ない・・・」
何・・・?
2人は一体、何の話をしてるの・・・?
うちにも分かるように言ってよ!何この遠回しな言い方!!
骸「あなた達が生きて、僕の許へ辿り着けるといいですね。アレは簡単にはいきませんからね」
紗那を抱き上げた。(俗に言うお姫様抱っこ)
希「知ってる・・・。お前は、首を、洗って・・・・待ってれば、いい」
骸は紗那を抱えたまま何処かに行こうとする。如月は全く追う気配がなくて、逆に逃がす気みたい。
ちょっ、意味分かんないんだけど!?何で逃がすの!?
瑠璃「如月!どういうつもり!?」
希「?どういう、って・・・?」
瑠璃「逃がしちゃダメでしょ!如月が追わないっていうなら、うちが追う!!」
大鎌を杖みたいにして、うちは何とか立ち上がる。
紗那が連れて行かれるところを黙って見ていられるわけないでしょ!!
骸「あなたも話の分からない人だ」
瑠璃「うっさい!じゃあうちにも分かるように説明してくれる?そしたら考えてあげるから。
もっとも・・・紗那を連れて行かせる気は全くないけどね!」
若干フラフラになりながら、大鎌を構えて骸を見据える。
もうこれ以上、友達を攫わせるわけにはいかない・・・!
骸「なら・・・最後にあなたの4つ目の弱点を教えてあげましょう」
その右目が〈三〉に変わる。
ボトッ、ボトッ・・・
瑠璃「蛇!?」
急に蛇がうち等の周りに落ちてきたの。
き、気持ち悪っ!!
希「おぉー・・・」
瑠璃「ど、どーせこれも幻覚なんでしょ。それならこれで、」
鎌を一振りしてその蛇の幻覚を断ち切ろうとするんだけど、何も起こらない。
・・・どうして?
瑠璃「どういう、こと・・・?」
希「これ・・・幻覚、違う。本物の・・・・蛇」
瑠璃「ウソ!?」
骸「4つ目の弱点は、知覚出来ないものや知覚するものを間違うと断ち切ることが出来ない」
瑠璃「!」
骸「クフフ・・・思った通りですね。それでは失礼します。
せいぜい、〈彼等〉に倒されないように気を付けなさい」
瑠璃「あっ!待て!逃げるな!!」
追おうとするんだけど、蛇が邪魔で先に進めない。
断ち切ってもいいんだけど、そうするとお茶の間にグロテスクな画を見せることになっちゃうし・・・
瑠璃「どうしたらいいのーーー!!」
希「これ・・・毒蛇だから、逃げた方が・・・・いい」
瑠璃「許はと言えば、如月があいつを逃がそうとするから悪いんでしょ!!」
希「どっち、みち・・・谷垣は、連れて、行かれてた・・・・。
ここで、ケガを、すると・・・谷垣だけじゃ、なくて・・・・海斗達も、助けられなく、なる・・・。
それに・・・原作は、変えられ、ない」
瑠璃「・・・どういう意味?」
希「骸達、なら・・・ツナ達が、何とか、してくれる・・・・。
俺達の、本当の・・・敵は、〈参加者〉、だろ・・・・?」
瑠璃「!でも、だからって・・・!」
紗那を見捨てていい理由にはならない。
うちがそう言えば、如月はうちの手を引いて蛇から遠ざかりながら言うの。
希「骸は・・・谷垣に、何も、しない・・・・」
瑠璃「どうしてそう言い切れるの!?」
希「そういう、目を・・・してた」
瑠璃「目って・・・そんなので?」
希「風花の、言葉を、借りるなら・・・メリットが、ない、からな」
瑠璃「!・・・そう言われると反論出来ないんだけど、」
未来の言葉を出されるとそれ以上言えない。
だって〈メリット〉っていうのは、うちには分からない理屈云々で未来がいつも言ってることだから。
その理屈を聞いて、いつもうちはその通りだと思っちゃうから。
だから、反論出来ない。
瑠璃「信じて、いいんだね?」
希「・・・多分」
瑠璃「おぃぃぃ!!確信があって言ったんじゃないの!!?」
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