Ver.黒曜・リング編

□望まなかった邂逅
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――とある黒いテントの中で・・・


占い師「外が・・・騒がしいようですね」



いつものように椅子に座って目の前の水晶を眺めながら、独り言のようにポツリと呟いた。

普段ならば、その言葉に返事を返す者はいない。


だが今は、その普段とは違う。





その占い師の前には、来客者が1人いた。それは・・・







希「そう・・・だな」


占い師「あなたは彼等の傍にいなくても?お連れの1人は大怪我を負ってしまいましたよ?」


希「天才・・・闇医者が、いる、から・・・・大丈夫、だ」


占い師「あなたのことを心配されていますよ?それでも、行かないのですか?」


希「まるで・・・行って、ほしい、みたいな・・・・感じだな」


占い師「ええ、行ってほしいですよ。あなたにこの場にいれられると、アレが騒いで上手く未来が見えないので」


希「お前は・・・〈参加者〉、なのに、何も・・・・する、つもりが、ないんだな・・・」


占い師「私の〈能力〉は戦闘向きではありませんので。私はただの傍観者です」


希「そう、か・・・。ところで、そろそろ・・・・質問に、答えて・・・くれないか」


占い師「・・・・・・」


希「海斗と、風花は・・・どう、なった?何処に・・・・いるんだ?

未来を、見れる・・・お前なら・・・・知ってる、はずだろ・・・?」


占い師「それを知って、あなたはどうしますか?」


希「2人の・・・状況による・・・・」


占い師「断言しましょう。あなたには、あなた達にはどうすることも出来ない。

特に、あの〈彼女〉は・・・」


希「どうして・・・」



その問いに、占い師は歌うように答える。



占い師「選んだのは〈彼〉なんですよ。そして、あの2人を救うのは違う〈彼〉の役目・・・。

運命の歯車は、







もうとっくに狂い始めているんです







希「どういう、意味だ・・・」


占い師「さて・・・どういう意味でしょう」


希「・・・・・・」









   ◇  ◇  ◇








――並中の保健室で・・・



ビアンキ「何故?どーして隼人が入院してるのがここなのよ」


シャマル「ビアンキちゅわーんVv」


ビアンキ「よるな!!」



獄寺のお見舞いにやって来たビアンキさんが、抱き付こうとする変態保険医シャマル先生を簡単に一蹴する。


ここは保健室で、ベッドの上には獄寺と洋一が寝かされてるの。



シャマル「何だよー。病院は危険だからって、リボーンが保健室連れて来たんだぜー。

男の診察はしねーけどベッド貸してんだしさー。いーじゃん、おじさんと遊ぼーぜ」


ビアンキ「よくないわ!」


今度は、顔面を殴った。


シャマル「ボヘッ!」


ビアンキ「隼人の看病は私が付っきりでするわ!!邪魔するのなら出てって!!」


山本「ビアンキ姉さん」
ツナ・リン「「ビアンキ」」
瑠璃「ビアンキさん・・・」


シャマル「んなことしたら・・・治るもんも治らんぞ」


ツナ・リン・瑠璃「「「確かに」」」
山本「ハハハッ!」


ビアンキ「山本武、何がおかしい?」


山本「Σえ・・・俺?」


ビアンキ「場合によっちゃ、殺すわよ・・・」


ツナ「・・・・・・」
ツナ「(俺のせいで獄寺君が・・・)」



獄寺を見てたツナが、いつの間にか保健室から出て行っちゃった。

うちはベッドの横にある椅子に座って、寝かされてる2人を見る。



瑠璃「洋一・・・。獄寺・・・・」


紗那「(どうして千種君達が・・・)」


リン「(んー・・・凄い落ち込みようだな。さて、どうしよう)」


瑠璃「・・・リン、無理に元気づけようとしなくていいからね」


リン「え、ヤダなー。俺は全然そんなことしよーとしてないよ」


瑠璃「ウソ。リンのそーいうところ、未来に似てるから分かるの」


リン「未来、か・・・」


瑠璃「ごめんね、リン・・・。本当は今すぐにでも探しに行きたいのに、うち等がこんなだから・・・・」


リン「否定は出来ないけど、そんなに気にすることはないよ。

情報がない今の状況で闇雲に探したって、見付けることは出来ないからね」


瑠璃「・・・・・・」



そう、うち等は何も知らない。だから動こうにも動けない。


こんな時・・・未来ならどうするんだろ。






未来ならきっと・・・






瑠璃「ごめん、紗那・・・」


紗那「え・・・」


瑠璃「さっき怒鳴ったりして・・・。うち、ちょっと色々といっぱいいっぱいで紗那に当たっちゃった」


紗那「そ、そんなことないよ。だって・・・最下位の言ったことは、正しいから・・・・」


瑠璃「紗那とあのメガネに何があったかは、どーいう関係なのかは知らないけど・・・

やっぱりうちはあのメガネを理解出来ないし、悪い奴じゃないなんて思えない」



だから、



瑠璃「だから、ごめん・・・。

うちはあのメガネを許せない。関係のない人達を襲ったあのメガネとその仲間を許せない。

だけど、それで紗那とケンカするのは間違ってると思う。うち等がケンカする理由なんてないんだよ」



紗那「うん・・・。瑠璃達が許さなくても、信じなくても、私は理由を聞いて謝ってもらえれば千種君達を許せるし、信じられるよ。

でも、だからって瑠璃達とはケンカしない。したくない。だって私には、どっちも大切だから・・・」



お互い、言いたいことはそれだけ。伝えたいことはそれだけ。

だって・・・



瑠璃・紗那「「だって、きっと未来なら・・・






自分のやりたいようにやれ






って言うもんね」」






だから、うち等はやるよ。



自分が正しいと思ったことをやる。







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