Ver.黒曜・リング編

□望まなかった邂逅
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ツナ「うわぁ!!獄寺君!!大丈夫!?獄寺君!!」


瑠璃「洋一・・・?ウソ・・・・そんな、ヤダっ・・・!洋一!!!」



うち等を庇って倒れた洋一と獄寺は意識を失ってた。

血が流れてるせいか、2人の顔は死人みたいに青白くなってる。


地面には血溜まりが出来て、2人の制服を真っ赤に染め上げる。



何で・・・?どうしてこんなことになったの・・・・?



瑠璃「何でうちなんか庇うのさ、洋一!!」



どうして洋一はいつもいつも、他の人達を庇うの?

他の人達を庇って、自分を傷付けるの・・・?



瑠璃「洋一!お願い!しっかりして!!」



そんなの無理だって分かってても、うちは叫ばずにはいられない。


涙で霞む視界の端で、針を飛ばしてきたメガネがツナやうちに向かって針を飛ばしてくるのが見えた。

うちは咄嗟にチョーカーの鎌を元のサイズに戻そうとした。



だけど、その必要はなかった。だって・・・



  ズザーッ!!



山本「フ─ッ。滑り込みセーフってとこだな」


リン「危なかったね」



山本とリンが来てくれたから。



紗那「大丈夫!?」


ツナ「山本ぉ!?」


瑠璃「リン!!それに、紗那!」


山本「結局、学校半日で終わってさ。通りかかったら並中生がケンカしてるっつーだろ?獄寺かと思ってさ」


リン「俺達もそんなところだよ」


ツナ「そーだ、獄寺君と洋一が!!」


山本「あぁ、分かってる・・・。こいつぁ、穏やかじゃねーな」



山本が怒るとこ、初めて見た・・・。

うちがそんな山本を見てたら、隣で紗那の声が聞こえてきた。






紗那「えっ・・・・・千種、君?」






千種「―――!!」



他一同「!?」



何・・・?紗那は、あのメガネのことを知ってるの?


紗那は驚いたような顔をしてメガネを見てる。メガネも同じで、微かに目を見開いて紗那を見てる。

どーいうことなの・・・?



紗那「千種君だよね・・・?」



千種「っ・・・邪魔だ」



メガネは一瞬、ほんの一瞬悲しい顔をしたかと思うと、山本やリンに攻撃してくる。

だけど、そのメガネのヨーヨーを山本が真っ二つに斬ったの。



千種「!」


ツナ「切ったー!!つーか、いつから山本のバット常備〜!?」


千種「そうか・・・。お前は、並盛中学2ーA出席番号15番、山本武」


ツナ「(は!そーいや山本、並中ケンカの強さランク5位だった・・・)」


山本「だったら何だ」



山本の表情はまだ険しくて、メガネを睨み続けてる。


そしたら、「おまわりさんこっちです!」っていう言葉と共に、大人の人達がうち等の方に走って来たの。



千種「お前は犬の獲物・・・。もめるのめんどい・・・・」


紗那「(!犬君もいるの・・・!?)」


紗那「待って!千種君!!

どうしてこんなことするの!?もしかして、他の並中生も千種君達が襲ったの!?」


千種「・・・・・・」


紗那「ねぇ、答えてよ!!」


リン「よせ、今は獄寺と洋一を病院に連れて行くのが先だ」


紗那「でもっ・・・!」


瑠璃「紗那・・・」



千種って呼ばれてたメガネは紗那を一瞥すると、片足を引き摺りながら最後に「シャワー浴びたい」って呟いてどこかに行ったの。

紗那はその後を追いかけようとしてたけど、うちとリンがそれを止めた。



リン「行くな、谷垣」


紗那「放して!!千種君が行っちゃう!!私は聞かなきゃいけないの!!」


瑠璃「ダメだよ!危ないんだから!!」


紗那「危なくないもん!だって千種君は私の、」


瑠璃「皆を襲ったあいつが危なくないわけないでしょ!?」


紗那「っ・・・!違う。千種君達には、きっと何か理由があるはずだもん・・・・」


リン「・・・・・・」


瑠璃「理由があったとしても、あいつは関係のない人達を襲ったの!紗那だって知ってるでしょ!?

もしかしたら、未来達だってあいつに襲われたかもしれないんだよ!?」


紗那「!でもっ・・・!だけどっ・・・・!違うもん、千種君達は私を・・・・・だから、違うもん」


リン「落ち着いて、2人共。今は、俺達が冷静にならなきゃいけない。そうだろ?」


瑠璃・紗那「「っ・・・」」


リン「さ、行こう。獄寺と洋一は、本当に危険な状態だから・・・」



リンに促されて、うち等は歩き出す。

獄寺は山本が、洋一はリンが担いでくれた。


・・・何で、こんなことになるんだろ。

洋一達は何もしてないのに、どうしてこんなことになるの・・・



未来達は何処にいるの・・・?無事だよね?



瑠璃「(無事なら、早く戻って来て・・・。早く、うち等を安心させて・・・・)」







お願いだから・・・









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