秘密を守れますか?
□Love for me
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以前、棒倒しの練習をしていた川原・・・
全力疾走をする瑠璃は、そこで1人の少年と鉢合わせた。
獄寺「どこ行くんだ、テメェ?」
瑠璃「あぁ、今日もツナの家?随分暇なんだね。うちは暇じゃないからバイバイ!」
速度を緩めることなく早口でそう言い、彼の隣を駆け抜ける。
だが・・・
ガシッ
瑠璃「・・・へ?」
獄寺「どこ行くんだって聞いてんだろ。つか、今日はテメーんとこに行くつもりだったんだよ」
瑠璃「どこって・・・部活に決まってるでしょ!ヤバいの!後5分もないの!
だから放して・・・って、何でうちのところに来るつもりだったの?」
獄寺「そ、それはっ・・・////」
瑠璃「あ、でも遅刻しちゃうからそれどころじゃないや。じゃあね、バイバイ」
獄寺「聞けよ、テメェ!!」
瑠璃「Σ何で逆ギレ!?」
獄寺「いいから聞け」
瑠璃「しょうがないなぁ・・・。なるべく手短にね」
獄寺「・・・せ、先月、アレ、くれただろ」
瑠璃「アレ?」
小首を傾げて尋ねる彼女に、獄寺は言い難そうに顔を赤くする。
ガシガシッと頭を掻き、そっぽを向きながら彼は言う。
獄寺「だからっ・・・!バレンタインにチョコくれただろって!」
瑠璃「うん、それがどうかしたの?」
獄寺「っ〜〜〜〜〜////!」
瑠璃「おーい、獄寺?うち、もう行っていい?」
獄寺「まだ話の途中だろーが!」
瑠璃「なら、お願いだから早く言ってよ」
獄寺「あぁ、くそっ!黙って受け取りやがれ!!」
半ばヤケクソになった獄寺は、ポケットから取り出した包みを瑠璃に向かって投げた。
不意打ちだったために、それは真っ直ぐ瑠璃の額に当たる。
瑠璃「あぅっ。な、何すんのさ!っていうか、何これ?」
獄寺「開ければ分かる」
瑠璃「開ければ・・・?」
疑問に思いつつ、額に当たって落ちた包みを拾い上げる。そしてそれを開けてみれば・・・
瑠璃「イアリング・・・?」
シンプルなハートのそれは、太陽の光が当たってキラリと光る。
数秒凝視していた瑠璃は、イアリングと獄寺を交互に見て疑問符を浮かべる。
瑠璃「うち、今日誕生日とかじゃないけど」
獄寺「んなことは分かってんだよ!いい加減気付け、バカ!」
瑠璃「バカはないでしょ!バカは!
・・・バレンタインがどうとかって言ってたから、もしかしてこれ・・・・ホワイトデーのお返し?」
獄寺「・・・・・・・」
瑠璃「無言になられても困るんだけど。そうならそうってハッキリ言ってほしいんだけど」
獄寺「も、文句あっか・・・////」
瑠璃「別に。ちょっと意外だっただけ。まさか獄寺がこんなことしてくれるとは思わなかったから。
わざわざ買ってくれてありがと」
微笑んでお礼を言うと、獄寺はまた顔を赤くする。
獄寺「いいか、俺がこんなことするのはテメェだけだからな」
瑠璃「!」
瑠璃「(それって、もしかして・・・)」
獄寺「他の女子にいちいちこんなことはしねぇ」
瑠璃「っ////獄寺のくせに生意気・・・」
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