秘密を守れますか?
□重なる面影
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「大丈夫だよ。私がついてるから・・・」
傍にいる小さな1人の少女は自分にそう言った。
彼女自身手を震わせているのに、無理に笑顔を浮かべて必死に自分を励まそうとするのだ。
「私は、―の―――――だもん」
それが彼女の口癖だった。彼女の笑顔につられ、自分も笑顔を浮かべる。
彼女と一緒ならきっと大丈夫だ、と・・・
だが、次に見えたのは・・・一面に広がる
真 っ 赤 な 血 だ っ た 。
「――――!!」
◇ ◇ ◇
ガバッ!!
希「ハァッ、ハァッ・・・!」
薄暗くて、俺以外誰もいない部屋・・・そこで俺は夢から覚めた。
枕元に置いてる目覚まし時計を見てみれば午前2時。
早い鼓動がうるさい。息が乱れて呼吸がし辛い。直接心臓が皮膚に当たってるような感じがして、凄く気持ち悪い・・・。
体中汗がびっしょりで、着てるシャツが体にへばりついてもっと気持ち悪い・・・。
希「・・・また、あの夢か・・・・」
何年経っても忘れない、俺の心に深く刻まれた〈アノ事件〉・・・。
俺の時間は・・・
あの時に止まったんだ。
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希「・・・・・・・・」
午前6時、結局俺はあれから一睡も出来なかった。
仕方ないから、朝飯と皆の弁当を作ってる。そしたら誰かが階段を下りる音が聞こえてきた。
多分、海斗だな・・・。
こんな早くにいつも起きてるのか。凄い奴だな、本当に・・・・。
ガチャッ
希「おはよう・・・」
海斗「あぁ、おはよう」
希「朝飯と、弁当・・・作っておいた」
海斗「ありがとう。助かるよ、希」
・・・・・・・。
海斗「って、Σ希!!?」
希「うん・・・俺、希」
海斗「そうじゃなくて・・・こんなに早く起きてどうしたの!?熱でもあるんじゃ・・・・!」
海斗は焦った感じで、俺の額に手を当ててくる。
そんなに珍しいのか・・・。いや、珍しいだろうな。
俺の起床時間はいつも10時だから。
希「・・・昔の夢を見て・・・・眠れなかったんだ」
海斗「!・・・そう。大丈夫?」
希「大、丈夫・・・。問題、ない」
俺がそう言えば、海斗はそれ以上深く聞いてこなかった。
海斗と洋一は、〈アノ事件〉を知ってるから・・・。
次に起きてきたのは風花で、海斗みたいに驚いてた。
未来「てっ・・・
天変地異の前触れか!!?」
風花は〈アノ事件〉を知らないはずなのに、何故か何も言ってこなかった。
その次に起きてきたのは洋一と谷垣で・・・
洋一「あれ?もしかしてまだ夜か?」
紗那「一応、時計は7時を差してるよ〜」
洋一「あ、じゃあ晩飯の時間だな」
紗那「今日のご飯は何だろうね〜」
寝惚けてるのと、俺が起きてる=朝じゃないって思ったみたいだ。
最後に起きてきたのが東雲で・・・
瑠璃「もしかして・・・
今日で地球滅亡!!?」
俺が起きてる=地球最後の日だと思ったみたいだ。
東雲と風花が1番酷いな・・・
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