秘密を守れますか?
□文化祭
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よぉ!今回は俺、洋一だぜ!
今日は文化祭当日で、学校全体が賑わってるんだ。
俺達の映画は1番最後だから、それまでは他のクラスの出し物とかを見たりしてる。
紗那「見て!見て!あそこ喫茶店やってる!チョコパフェあるかな?」
瑠璃「いい加減しつこいっ!」
洋一「スタンプラリーだってさ!やってみるか?(ワクワク」
希「凄い・・・はしゃぎっぷり、だな」
ツナ「洋一らしいね」
山本「他のクラスも結構色んなことしてんのな」
海斗「映画なんて大規模なことをやっているのは、さすがにうちのクラスだけですけどね」
獄寺「そーいや、風花の奴はどうしたんだ?」
紗那「なんかね〜、〈最後の仕上げ〉があるんだって」
洋一「1人でやってんのか?じゃあ手伝いにでも、」
瑠璃「未来にしか出来ないことらしいよ。
映画の時にはちゃんと来るって言ってたから、すぐに終わると思うけど・・・」
やっぱ、編集って大変なのかな・・・?
俺の演出なんて名ばかりだから、風花に負担かけ過ぎたのかも。
文化祭は進んでいって、とうとう俺達の映画が公開される時になった。
体育館には全校生徒と先生、保護者の人達がそれぞれの椅子に座って待ってる。
放送部『それでは最後に、1−Aによる〈自作映画〉を見て頂きます』
ツナ「ほ、本当に始まるんだ・・・」
瑠璃「自分が出てるのを自分で見るって、変な感じだね・・・」
洋一「そーか?俺はスッゲー楽しみだけどな」
獄寺「つか、何で俺達はこんなとこにいるんだよ」
獄寺が言う「こんなとこ」っていうのは、舞台裏のこと。
そこに俺達5人とツナ達3人だけがいるんだ。
紗那「未来が皆をここに集めろって言ったからだよ〜」
海斗「呼び出した張本人が1番遅いというのは、どうかと思いますが・・・」
希「言ってたら・・・来たぞ」
未来「Ciao!Come sta?(やぁ!調子はどぅ?)」
獄寺「何でイタリア語だ」
洋一・瑠璃・紗那・ツナ「「「「(あ、イタリア語だったんだ・・・)」」」」
海斗「それで、どうして僕達をここに?」
山本「まだ映画が全部出来てねーとか?」
未来「俺を誰だと思ってんだよ。そんなのお茶の子さいさいに決まってんだろ」
ツナ「じゃあ、どうして・・・?」
未来「お前等を呼び出したのは他でもねぇ。映画が公開された後のことだ」
紗那「後のこと?」
未来「ゼッテー大変だと思うんよ。男子や女子に囲まれたり、囲まれたり、囲まれたりして。
そーうことになっても、その他に大変なことになっても、俺は一切
苦情や文句を受け付けねぇからな」
海斗「ちょっと待ってください。最後の言葉だけ聞き捨てなりませんね」
瑠璃「苦情や文句ってどういうこと?」
未来「はて?わし、そんなこと言ったかぃのぉ・・・。最近、ボケが酷くて」
瑠璃「都合の悪い時だけそーやって誤魔化すな」
未来「ま、最後まで見れば分かるよ。言うのは言ったからな」
放送部の声『まず映画の監督である風花未来さんから、舞台挨拶があります』
未来「ほいじゃ、お前等は席に行っていいぞ」
舞台挨拶に行く風花を見送って、言われた通り俺達は自分達の席に行く。
風花は何が言いたかったんだろーな。
俺達がそれを知るのは、今から数時間後・・・
未来『紹介があった通り、監督兼編集係りの風花未来です。
劇でやるにはスケールがデカ過ぎて、映画という形になってしまいました。
色んなところに行ったり、色んなところを借りたり・・・長々とした挨拶も何なんで、フツーに楽しんで見てください』
瑠璃「めんどくさくなったな、あいつ・・・」
紗那「未来が自分から人の前に立つなんて珍しいから、そこは大目に見てあげようよ」
未来『あ、そーそー。最後に肝心なことを言い忘れていました。この映画のタイトルは―――』
デカイスクリーンが下りてきて、映画が映される。
風花の声と重なって、映画が始まるんだ。
1−A全員の声&未来『『真夏の恋話(こいばな)!!!!』』
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