キラキラの世界(テニプリ連載)@


□異種格闘戦と賭け
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いつもに増して眉間に皺を刻ませる事となった、手塚の背中を見送りながら、私も反対の方向に向かった。

下駄箱から靴を取り出す。

「後は真っ直ぐ門を出るだけ」

半ば自分に言い聞かせるように、呪文のように唱えていると、

「サッカー同好会とテニス部で、何か対決してるってさ。
見に行こうぜ!」

そんな声が聞こえてきてしまった。

「何か賭けて、勝負してるんだって」

今度は違う方角からの声。

「転校生が関係してるって、どういう意味なの?」

騒がしく生徒たちが噂を始めた。
そして、連れだって何処かに向かっていく。

サッカー同好会とテニス部の、転校生を賭けた対決。
聞こえてきた言葉を全部繋げると、何だが嫌な予感がする。

目の前の門が、今日も遠い。

「もうっ!」

Uターン。
私もみんなが向かう方向を目指した。

そして、着いたのはバスケットゴールのある広場。
人だかりが出来ている。

「あれは・・・」

その中心に知っている顔を見つけた。
噂は本当のようだ。
サッカー同好会とテニス部。

桜井君と香山さん、その横には多分サッカー同好会メンバー。
テニス部は、菊丸と不二。
乾と桃もいる。

みんなバスケットゴールに向かって、何かをしているようだ。
テニスとサッカー、一番関係のないバスケットゴールを見つめて、

「何してるの?」

近くでそれを見ている女の子に聞いてみる事にした。
小さいから、きっと一年生。
顔は割れてないと踏んだ。

「あ・・・」

知っていたのは私の方だった。
桜乃ちゃんと朋ちゃん。
なんたる偶然。

「よく分からないんですが、何かを賭けてフリースローを行っています」

「それがすごいのなんのって!
ゴールに向かってるのは、サッカーボールとテニスボールなの!」

二人して、一生懸命教えてくれた。
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