白と青と、そして赤。

□海が繋げる想い
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仕方ないので、バーベキューに参加した。

ヤミヤミの実は、無造作に机の上に置く。
膝でも当たって、火の中に入って、丸こげになれば良いと思ったけれど、

「これも食えよい」

と、マルコが隣に座ったので、そんな行儀の悪いことも出来なくなった。

サッチとエースを除いた、隊長達3人は泳がない。
マルコは能力者だけれど、イゾウとハルタは、まあ水着にはならないか。

このシチュエーションに、全く不釣り合いな和装な人と、王子様な人。
ワンピースじゃ当たり前の光景だけに、何の違和感も感じなくなっている私。

「でもさ、ヤギもサッチもいらないって言ったらさ」

ハルタがトロピカルなジュースを飲みながら、悪魔の実を指差す。
そして、

「今まで、そんなことなかったじゃん?
どうするのさ」

私達の会話を、聞いていたようだ。
八木もサッチも不要説を説く。

肉を頬張ったまま、私はそっとマルコの顔を見た。
私の目には、

『丸焼きにしましょう!』

と、メッセージを載せてみたが、

「美味いか?
もっと食えよい」

伝わらなかったようだ。
肉をお皿に載せられた。
うん、美味しいけどね。

側にあったヤミヤミの実を、マルコが片手で軽々と掴む。
意外にも大きくて、誰かに止められる前にこっそり食べ切るのは難しいと思ったくらい。

「オークションだよい」

少しだけ高い位置に掲げ、マルコがそう言った。

「ふごっ?」

肉のせいか、モゴモゴしながら、私は驚く。
マルコは再び、肉を一切れお皿に入れてくれたけど、別に今のは催促したわけではない。

「オークションって、外に出すの?」

「違うさ」

ハルタの驚きに、イゾウが落ち着いた返しをする。
それには、彼も知っている暗黙のルールが存在する事を示す。

マルコとイゾウの付き合いは長い。
ハルタの加入時期は知らないけど、この顔でマルコ達と同年代はないだろう。

「見つけた奴が要らないからと言って、簡単に捨てたりあげたりはさせない。
後々、面倒なことになるのが、目に見えているからな」

お金で解決が、後腐れなくて一番良い手段。
それが、オークション。
流石は、海賊のルール。
でも、気になる事がある。
ハルタだって、驚いたのはそこだと思う。

マルコを見ると、

「大丈夫さ。
こんなお宝、外には出さねえよい」

「!」

今度は、通じた。
何か、嬉しい。

そして、

「うちのクルーであること。
これだけが、参加条件だよい」

第一回、悪魔の実オークションin白ひげ海賊団が開催される。
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