キラキラの世界(テニプリ連載)@


□まさかの遭遇
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「マジで歩きにくい。脇痛いし」

愚痴が口に出るようになると、人間かなりやばい。
独り言はしない方だけど、今回ばかりは言わずにはいられなかった。

もう少しで病院のはずが、なかなかその建物が現れない。
まさかの迷子?

「ダメ、休憩〜」

小さな公園があった。
自販機でジュースを買うと、近くのベンチに腰を降ろす。
ファンタグレープ。
思わず買ってしまった、マネっ子リョーマ気分。

「ゲホッ!!」

むせた。
焦った。
ビックリした。

随分と人気のない公園だと思い、辺りを見回した私。
170度くらい頭を動かした時に、視界に入ってきたのは、白。

あんまり制服には詳しくない私でも、余りに特徴のあるそれは、直ぐに何処の中学の物なのか分かった。

そして、いかにもと言ったヘアースタイル。
間違いない、あれは亜久津だ。

彼のいるせいで公園に人気がないのか、人気がないから彼がいるのか。
それは全く分からない。

ただ、亜久津が公園のベンチに大きな体を倒し、ゴロリと寝ている。
それだけが今分かる事だ。

それにしても、どうして不良って制服着ているんだろう。
意外と学校背負って生きている。
ふと思う、どうでもいい疑問。

「何してるんだろう」

都大会決勝で、リョーマに破れた彼は、部活をやめたはず。
その後、どっか留学したんじゃなかったっけ?
デマだったのか。
ま、まさか母親にもついに愛想つかされ、

「ホームレス中学生?」

なんてね。
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