キラキラの世界(テニプリ連載)@


□インサイトにご用心
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制服に着替えた私達は、足早に校門を出た。
氷帝は今日はミーティングしかないらしく、近くのファミレスまで来てくれているのだ。

「築山」

私のスピードに合わせて歩く手塚が、名前を呼んだ。
そして、

「跡部と忍足をよく知っていたな」

心臓が飛び出るかと思った。
ただ、手塚の表情は素。
疑うといった感じてはなく、感心しているようだ。

「マネージャーだから」

「そうか」

誤魔化せたようだ。
案外、素直かもしれない。

「朝練も大石より早く来たらしいな」

「あ、うん・・・」

「ありがとう」

いや、かなり素直かもしれない。
逆にこっちの良心が痛む。

「今度、大石に合鍵を作らせよう」

「え・・・」

「どうした?」

「・・・う、ううん。あ、ありがとう!」

びっくりした。
こんなに早く得るとは思っていなかったから。
合鍵・・・ではない。
それを得るための、信頼。

「ふふ、いい雰囲気だね」

私達は気付いていなかった。
まさか、尾行されているとは。
そう、青学のレギュラー達に。

「部長が今笑ったような気がした」

と目を擦る桃。

「見てはならない物だにゃー!」

と青い顔の菊丸。

「バーニングッ!」

言うまでもない。

「あの二人、付き合ってるんすか?」

興味ないわりに興味あり気なリョーマ。

「フシュー・・・」

何故か機嫌の悪そうな海堂。

「それにしても、面白いデータばかり提供してくれる奴だ」

だから、メモってどうする乾。

「み、みんな隠れて!」

そして、事態を知っている大石までもが、そこにいた。
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