キラキラの世界(テニプリ連載)@


□おいでませ、山口へ
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「信じられない」

私はあまり好きではないフレーズの一つを口にした。
仕方ない。
本当にそうなのだから。

河原から場所を変え、ここはあるマンションの一室。
セレブチックな外観よりも、中の方がすごかった。
彼の住んでいる所のようだ。
何処に何があるか、把握している様子。

「ありがとう」

紅茶の入ったカップを渡され、息を吹き掛けながら口を付けた。
一息付いて、よしっ。

「で、二次元って何?」

まずはここに来てから、彼の口からやたらと発せられる単語を聞いてみる。

彼が言うには、私は次元の歪みに迷い混んで、呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーンしたのが二次元と言う異世界らしい。

そう言うことを、巷ではトリップと言うそうなのだが、聞いたことない。
どっちかって言うと、危ない言葉に聞こえなくもないし。

まあ、それは置いておき、トリップの際にオプションで若返り補正が働いたとのこと。
オプションって何だよ。
金とるとか言ったら、ぶん殴る。

「二次元は、縦と横の世界。
つまり簡単な例として、漫画のことかな」

じゃ、ドラえもんの四次元は?
もはや意味不明。

とにかく、

「リアルな夢ってことか。
あるある!私、結構見る!」

肯定のような、否定をしてみると、

「はあ・・・」

ため息をつかれた。
人の夢に勝手に出演してきて、腹立つ奴め!

「もう、こんな時間か。
実際目にした方が受け入れやすいってのもあるし、出掛けよう!
詳しいことは、追々話していくよ」

現在時計は9時を指している。
こんな朝から、何を見せると言いたいのだろうか。

「一先ず、着替えてきなよ。
君の部屋は、あっち。
部屋に掛けてある制服に、着替えて来てね」

何ということでしょう。
一夜限りの夢で、こんな待遇。

もう、何でもいいや。
とことん乗って、夢から覚めようと思う。

なのだが、

「何、これ・・・」

部屋のドアを開けると、眼を疑った。
これは、私の部屋。
しかもずっと昔、まだ学生だった頃の私の部屋。

社会人になって、一人暮らしになったから、余計に懐かしさを感じた。
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