キラキラの世界(テニプリ連載)A

□Dear Prince(前編)
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ついに全国大会決勝戦。
そんでもって、残すは1試合のみ。
はしょりすぎ?すみません。

って、誰に言ってんだ私。
とにかく同点の現在、これで全てが決まる。

「はあ・・・」

兎に角疲れた。
見ているだけで満腹になったのは、流石は決勝戦、流石は王者立海と言った感じ。

私は一人、コートから離れた場所を歩いている。
試合の余韻が背中に聞こえるけれど、遠ざかる度にそれが小さくなり、落ち着きを取り戻せる気がする。

ここに来て、主人公リョーマが記憶喪失と言う設定が浮上した。
無理があり過ぎやろ、なんて思わない。
だってそれが、テニプリたる由縁。

空を見上げる。
熱い日射し。

そして、

「ミハル」

私を呼ぶ声。
それは、

「来てたの?ニー」

珍しい人が立っていた。
黒髪の長身。
テニプリキャラに劣らないその風貌。

彼はこの世界を一番知る人物であり、
そして管理する側でもある。
そのせいか、試合会場に姿を見せる事がなかった。
テニプリの正式ストーリー内で、彼に会ったのは初めてかもしれない。

「楽しそうだね、ミハル」

私の好きな優しい笑顔でそう言う彼。

「うん、楽しいよ!」

だから、私も素直に答えられるのだ。
彼だけには、言っても良い事がある。

「決勝戦なのに、爆笑寸前。
流石はテニスの王子様って感じ!」

「フフッ。
マネージャーの意見とは思えないなあ」

二人だけの内緒の会話だ。
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