キラキラの世界(テニプリ連載)A

□手塚家と俺様芸
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「ミハルちゃん、いらっしゃい!
怪我は大丈夫なの?」

「ミハルちゃん、よく来たね。
また会えるのを楽しみにしてたよ」

手塚家のドアを手塚が開けるなり出迎えてくれたのは、手塚ママの心配した顔と明るい手塚パパの顔だった。
どちらも優しさが伝わる。

そして、

「ミハルちゃん!
早く上がりなさい!
さあ、早く早く!」

手塚じいじに引っ張られるように、玄関を上がる。
すまぬ手塚、靴を揃えておいてくれ。

「久しぶりね〜。
国光ったら、やっと連れてきてくれた!」

居間に通されると、豪華に用意されている晩御飯が見えた。
かなりテンションの高くなった手塚ママが、手際よく準備を始める。

「すみません、急にお邪魔しちゃって」

この時間帯にここにいるのには、訳がある。
試合後かかってきたニーからの、遅くなるという電話。
一緒に帰っていた手塚の耳にも入った。

「俺の嫁に来い」

じゃなくて、

「俺の家に来い」

と、あっという間に段取りをつけられてしまったのだ。

「て、手塚・・・」

予想以上の歓迎ムードに、返って居づらい私は手塚に救いの手を求めるのだけれど、

「本当に気に入られているんだな」

変な感心をしていた。
そして、風呂に行くと私を残して居なくなった。

「あ、あの。
手伝います!」

もはや、それしか私には出来ることがない。
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