キラキラの世界(テニプリ連載)A
□全国レベルの?
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「築山、何をしている」
私の背中からのその声に、ちらりと視線を数ミリ動かせば、立海の柳蓮二。
その隣には、三分の二強もいた。
「何って・・・大人しく試合を見てたんじゃん。
・・・ちょっと目立つから離れてよ」
しっしと追いやるジェスチャー。
中学テニス界の有名人、物凄い存在感だ。
本日、全国大会初日。
今の今まで、青学が試合をしていた。
柳の予想通り、相手は沖縄の比嘉中。
「大人しくとは言ったが、隠れて見ることはないだろう」
「・・・だって」
大体、どこに居たら良いのか分からない。
手持ち無沙汰と言うか、気まずくて行けなかったから、こうして巨人の星の何とかお姉さんよろしく、影で見守っていたつもりだ。
「ミハルにしては、随分と冷静に見ていたね」
幸村が意外そうな顔をする。
どういう意味と受け取るべきか。
「青学の臨時マネージャーは、ずっと泣いていたな」
真田がたるんどるとばかりに、息を吐いた。
臨時マネージャーと言うからには、柳から聞いているわけか。
「そう言わないでよ、しっかりやってくれたんだから」
健気に頑張ってくれたのも、私は見ていた。
但し、それは試合が始まるまでのこと。
相変わらず、テニスの試合とは到底思えない、彼らのスーパーサイヤ人テニス。
全国大会ともなると、パワーアップしていた。
それを間近で見たのだ。
目が点になるのは、仕方がない。
そして、もう一つ。
比嘉のダーティな作戦。
リョーマがデブに胸ぐらを捕まれた瞬間、恐怖に泣き叫ぶ彼女達の声がコートにこだました。
更に更に、ボールを竜崎先生にぶつけようとする行為。
それには、自分達も同じ目に合うのではと、かなりパニクっていた。
最後に、手塚vs木手戦。
もはや何も言うことはない。