君に贈るエール(ワンピース連載)
□乗り換え案内
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死んだら、やっぱ夢から覚めるっしょ?
「あれ?生きてる?」
「俺を誰だと思っていやがる」
目を開けると真っ先に見えたのは、ローの顔。
メッチャ不機嫌この上ない。
「いでっ」
「動くな、傷が開く」
そう言われた途端、腹部が脈打つようにズキズキとうづき出した。
「お前、バカか?」
「はい?
いきなり言われると答えにくいけど、天才かバカかって聞かれれば、どちらかと言えばバカ寄りではあると・・・」
起きたて病み上がりにしてはナイスアンサーだと思いきや、ローが大きなため息をついた。
「・・・すまなかった、俺の油断だ」
頭を下げたりはしない。
でも、その真意は伝わる。
「いえいえ、こちらこそお役に立てませんで・・・いでっ」
「フッ」
ローが笑った。
惚れてまうやろ!って、惚れてるけど。
「キクっ!!!」
ベポが大きな音を立てて、ドアを思いっきり壊した。
いや、開けた。
「こいつに礼を言うんだな。
お前を助けたい一心で、いつもより倍。
いや、それ以上の動きで闘った」
「ベポ・・・」
そう言えば、最後に側にいてくれたのは彼だった。
死ぬの前提だったから、ついつい遺言まで託しちゃって。
「・・・あ」
思い出す。
そして、
「お前、麦わら屋に厄介になってたんだな」
ローがニヤリと笑う。
ベポのやつ、言いつけやがったな。