君に贈るエール(ワンピース連載)

□覚めない日常
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「不思議国から来たって事だな」

ルフィがその一言で、片付けた。
流石は主役、流石は船長。
そして、

「流石は海賊王になる男!」

にししと笑う。
その顔も好きだ。

「・・・それでお前は、どうするつもりだ?」

ルフィの能天気ぶりに、ゾロがため息ををつく。
そして、脱線しかけた話を引き戻した。
最初より怖い顔はしていないけど、まだまだ不審者を見る目は消えない。

「どうするつもりって言われても、・・・どうしよう?」

「俺が知るかっ・・・」

言われてみて気付いたけれど、一人で生きる術がない。
この世界の事は、分かってるつもりだ。
そう言う意味では、適度な感じで夢から覚めたい。

「俺達の仲間になればいいさ!」

で、突然の宣言。
もちろん、それはルフィの台詞。

みんなは驚いたように、彼の名前を呼んでいる。
そりゃあその反応が当たり前だ。

「ダメダメ、麦わらの一味になるほど、秀でた才能がないから!」

一人一芸。
これ大事。

「そうか?キクは十分面白いぞ!」

何をもって、そう語るのかは分からない。
更には、

「さっきキク、俺が海賊王になる男って言っただろう?
なんかお前にそう言われると、すごく嬉しいんだ!
余計なりたいと思ったし、凄くなれる気がしてきた!」

お前凄いな、お前凄いな!と連呼するルフィ。
私の手柄じゃないだけに、微妙な気分だ。
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