白と青と、そして赤。
□海が繋げる想い
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「お前、見込みがあるじゃねえかっ!」
無人島から帰ってきて、サッチが八木を連れて直行したのは親父のところ。
悪魔の実の報告だ。
八木がついてきて欲しいと小声で言ってきたので、仕方ないなと私も同行している。
親父が至極ご機嫌なのは、悪魔の実を見つけた八木の幸運に驚いたのと、泳げないのが嫌だから食べないと言った事への妙なツボ。
「オークションだなァ」
親父も同じ事を言った。
それには、
「せいぜいつり上げてやれよ、サッチ」
と、助言していた。
外に出せば、とんでもない金額で取引される。
船内オークションともなると、そんなに期待は出来ないから。
「気持ちの悪いフルーツね」
「何の実かしら」
ナース達も興味津々。
初めて見るらしく、恐る恐る指でつついている。
そんな中、
「サッチ、あんたは参加しないんでしょ?」
ナースの一人、リアンダが言った。
「俺は親父の言う通り、名バイヤー役に徹するのさ」
並んで会話する二人。
ナースと隊長でも、こんな風に話すこともあるのかと、視線は向けずに耳だけで聞いた。
数分後、八木とサッチは部屋に戻った。
ちなみに、悪魔の実はオークションまで親父預かり。
能力者が食べるわけないので、それが一番安心ではある。
二人に遅れる事、数時間。
親父との団欒も終わり、リアンダとこのままお茶をしに食堂に向かっていた。
ちなみに、ナースの中では、彼女と一番仲が良くなった。
私が怪我をした時に、ずっと世話をしてくれたのが彼女なのだ。
「ねえ、リアンダ」
「何?」
「気付いたんだけどね」
「ええ」
構えない。
そんなふんわりとした関係が、とても気持ちがいい。
「リアンダとサッチって、付き合ってるの?」
声に抑揚も付けず、普通に言ってみた。
さらっと確認する程度だったから。
しかし、
「はあ?????」
思いの外、大きなリアクションが返ってくる。
「な、ななななな何言ってんのよ!!」
普段のクールビューティな雰囲気は何処へやら、顔を真っ赤にして反論しようとするリアンダ。
「そうよ」
でも、
「違うわ」
でも、どっちでも良かったのだけど、ここまで動揺されると、敢えて突っ込みが必要なんじゃないかと考えてしまう。
「いや、さっきの二人の会話。
・・・いい雰囲気って言うか、もう漂う空気が夫婦みたいで」
「ふうふーーーーっ???」
キャラ変わってるから。
ごめん、一旦落ち着こう。