キラキラの世界(テニプリ連載)A

□Dear Prince(前編)
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『手塚vs真田』
もはや超能力合戦。
見ているこっちまで、生気が吸いとられそうだった。
そして、「入らんか」による気迫の一撃。
勝敗決定打がそれっすか。

『乾・海堂vs柳・赤也』
あのデビルマンは、反則だ。
病院とか介さなくて良いのだろうか。
とりあえず、海堂が変身しなくてよかった。
乾、そこだけはえらい。

『不二vs仁王』
あれはテニスだったんだよね?
見えてた物を信じないと、二人が残念キャラになっていまう。
私はちゃんと、幻影を見たからね。

『大石・英二vsジャッカル・ブン太』
もう、勝ったからいいや。

ニーと並んで歩く。
彼は何処に行くのかは聞かない。
だって、知っているから。

「突っ込みどこ満載!」

「でも、突っ込んじゃダメだよ」

「分かってるって!
笑いを堪えるのに、腹筋使ったわ〜」

コートから離れて、私は初めて笑った。
不謹慎なの分かってる。
でも、笑わずにはいられなかった。

「アハハハハハハ・・・ッ!・・・あれ?」

お腹を抱え笑い転げていた私は、その突然の現象に止まった。
頬に感じる液体。
この出所は、眼。

「何で涙なんか出るん・・・だ?・・・あれれ」

あの全てを超越したゲームに、笑いが止まらないは事実なのだけど、

「・・・・私、変だ」

咳をしながら、くしゃみをする。
晴れているのに雨模様。
そんな忙しい事になっている。

「変じゃないよ、ミハル。
それで良いんだよ。
素直な心の現れだから」

ニーの伸びてきた手が、私の頬に触れた。
彼には、この涙の意味が分かっているのだろうか。

ポタポタと止まる気配を見せない涙。
別に悲しいわけじゃない。
どっちかって言えば、顔はいまだ間抜けに笑っているはずだ。

「誰だそれは、アーン?」

「た、たるんどるっ!!」

忙しい私の元に舞い降りたのは、テニプリ二大名台詞。

自称キングと通称皇帝が、ドーンと擬音を伴って立っていた。
彼らもリョーマ救出部隊のメンバーだ。
決して、暇をもて余す王様なわけではない。
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