キラキラの世界(テニプリ連載)@


□油断大敵
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「ミハルさん、ちょっと良い?」

ちっ。
背中を向けて、部室に向かおうとしたが、呼び止められる。
流石に気付かなかったとは、言いにくい距離だ。

「な、何?」

相手は私を知っているようだけど、三人とも私は見たことがなかった。
ため口ということは、同学年らしい。

一体、何を言われるのだろう。
あの顔から言って、好意的な内容ではなさそうだ。
面倒な事だけは、やめてほしい。

「あのさ、テニス部のマネージャー、やめてくれない?」

「は?」

言ってしまってからでは遅いのだけれど、一応口を押さえる。
まさか直球で来るとは。
久々の英二並のどストレートだ。

「何で?」

とりあえず、納得のいく答えが貰えたら嬉しい。

「だって、ずるいもん!
みんなと仲良くして!」

一人が言い切ると、後の二人がそうだそうだと頷いている。

私だって彼女達の気持ちが、理解出来ない訳ではない。
ただそれが、

「マネージャー、やめて」

に繋げるのは、あまりにも浅はか過ぎて、

「それはちょっと」

そう答えるしかない。

「全国大会に向かって、レギュラーだけじゃなくて、みんな頑張ってるからね。
雑用は、マネージャーがやるべきだと思うし」

「そうじゃなくてっ!
みんなと仲良くしてるのが・・・」

私の正論に勢いを無くしつつも、反論を試みようとする彼女達。

端から見れば、苛められているのは私なのだろうけれど、私的には苛めている気がしてしまう。

ああ、マジ面倒くさい。
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