キラキラの世界(テニプリ連載)@


□少年ア○ベ
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「なあ跡部、お前に彼女出来た?」

部室で短くなった髪を触りながら、思い出したかのように宍戸さんが聞いてきたとか。

「はあ?
何寝惚けてやがる」

「いや、変な意味じゃなくてよ。
・・・やっぱ、あいつ彼女じゃないのか」

「あーん?
どっかの雌猫に、何か吹き込まれたのか?」

部室のソファにふんぞり返る跡部。
それは、私の想像だ。

「ちげーよっ!
・・・この前、お前の事知ってるみたいな、某テニス関係者を名乗る奴に会ったんだよ」

「なんやねん、その怪しい称号は」

「宍戸さん、大丈夫ですか?
変なキャッチに、ひっかかったりしてませんか?」

忍足と長太郎も聞いていたようだ。

「俺が・・・ちょっと墜ちてた時に、たまたま出会ったんだよ」

「お!ドラマやないか」

忍足が飛び付くと、

「黙れ、忍足。
で、そいつは女で、俺の彼女だとか言ったのか?」

不機嫌をモロに全面に出す跡部。

「いや、その逆。
俺がそう勘違いしたら、誰が俺様泣き黒子の彼女だ!って怒鳴られた」

「最高や!
そんな上手いこと言える子、おったんかいな!」

「・・・黙れ、忍足。
で、そいつはお前に何を言ったんだ?」

笑う忍足、不機嫌この上ない跡部。
宍戸さんは、少し考えてから続ける事にした。

「俺に足りない物は何だ、って聞いてみたら」

「宍戸さん・・・」

長太郎が何か言いかけたが、宍戸さんの話を聞く事を選ぶ。

「足りない物は分からない、不要な物はあるって言ったんだ」

誰も何も言わない。
次を待っている。

「・・・プライドだとよ」

「へえ・・・」

跡部がニヤリと笑う。
他のメンバーは、目を丸くしている。
気付けば、岳人も樺地も、そして日吉までもこちらを見ていた。

「そんで、本当の最後の最後には、捨てろって言われた・・・」

「格好E〜!」

慈郎もいつの間にか起きていた。

「後、髪の毛も」

「なんやねん、それ!」

忍足のツッコミと同時、部室が笑いへと変わった。
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