キラキラの世界(テニプリ連載)@


□不二の懸念
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「ごめん、丁度貸したところだよ」

不二が借りにくると分かっていたら、今の奴には貸さなかったのに。

「英二?」

「ううん、違うけど同じ六組だって。
名前は知らないけど、男の子」

「ふーん・・・」

な、何だその返事。
心なしか、目が開いたような。

「もしかして、高橋?」

「・・・え?分かんないよ」

「手塚?」

何故か手塚を巻き込む不二。

「・・・ああ、高橋だった」

手塚は知っているようだ。
二年間も同じ中学なら、知ってて当然だろう。

「手塚・・・」

「・・・」

「手塚!」

「・・・済まない」

何かよく分からないが、手塚が怒られている。
そんなこと出来るの、不二くらいだろう。

「あの・・・貸しちゃまずかった?」

「ううん、そんなことないよ」

いつものような爽やかな笑顔。
そして、

「手塚、辞書貸して!」

「あ、ああ」

二人して、廊下にそのまま出ていった。
何だったのだろう。

「・・・」

仕方ない、後をつけるか。
私の責任で、手塚が怒られている確率99%みたいだし。
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