キラキラの世界(テニプリ連載)@


□少年ア○ベ
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手塚と跡部による、部長サミットで決まった今日の予定。

「跡部が迎えに来るそうだ」

手塚から、そう伝えられた。
一先ず、家の前にしなかったのだけは、誉めてあげたい。

想像通りの黒い高級車。
待ち合わせ場所に向かって歩いていた私の横に、ピタリと着けるように止まった。

車には跡部が乗っていなかった為、誘拐だったらどうしようと不安になったが、

「俺様だ、安心して乗れ」

と携帯に連絡が来たので、諦めて拉致される事にした。
俺様詐欺だったらどうしよう。

「・・・」

そして、ドナドナが頭のBGMに流れる中、到着したのは豪邸。
都内にこんな敷地があるなんて、人間の平等なんて信じられなくなる。

「よく来たな」

跡部が豪勢な玄関で、出迎えてくれた。
良かった、使用人勢揃いとかじゃなくて。

通されたのは、ゲストルーム。
ロココ調とか言っちゃったりする家具なんだろうか。
兎に角、場違いな私。

「何だ、緊張してんのか?」

紅茶を片手に様になっている跡部。
いや、敢えて言いたい、景吾お坊っちゃまと。

「そりゃそうでしょ?」

まさか自宅に招かれるとは。
忍足がいないから、ファミレスはないとしても、外の方がマシだ。

「見られたら、不味いと思ってな」

「・・・」

「明日の対戦同士だからな」

「・・・そうだね」

その辺は、分かっていたらしい。
イメージだけで言うなら、俺様は注目されたい派かと思っていた。

でも、それなら会わなきゃ良いと思う。
そうだ、それだ。

「じゃあ、何で・・・」

今思ったことを言葉にしようとしたら、

「宍戸の事は、礼を言う」

「・・・」

阻止された。

「私、何もしてないけど?」

本当に何も。
強いて言うなら、傘を貸したから風邪ひかなかったくらいかな。

「そうか?
宍戸は、そうは思ってないみたいだったぜ」

跡部はその時の事を語ってくれた。
ついにレギュラー復帰を果たした宍戸さんの事。
まあ、本当は知ってる内容なんだけど。

そして、その後の事も。
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