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「ふわぁああぁ…」



いつもと変わらぬ朝。

トリが泣いていて心地いい。




「りん!起きなさい!」


一階から母の威勢のいい声が
聞こえてくる
ごく普通の朝だ。





「おはよう、ママ…」



私は眠そうに欠伸をしながら
階段を降り、食卓につく。


今日も変わりはなく
フレンチトーストだ。




座ってゆっくり食事を取る。




「アキさん!おはようございます!」


玄関から母を呼ぶ声、
あれはきっと村長の息子の声だ。


要するに、次期村長。



母は急いで玄関に向かった。


そして数分後戻ってきた。



「りん、話があるの」


「話?なに?」



そしていきなり告げられた言葉。




「りん。あなたは今から
旅に出るの。
伝説の勇者に選ばれたのよ。
だから早く支度をして
村長さんの所に行きなさい。」




「え…えっと、わかった!」


私は訳もわからずとりあえず
返事をして、支度をする為に
自室に戻った。


本当のことを言えば
疑問な事がたくさんある。

だって、私は平凡な
一村民だし、なんで
私が行かなければならないのかも
わからないし、
とにかく聞きたいことが
たくさんある。





そうこうしている内に
支度も出来、玄関に向かう。



「いってきます!」



「いってらっしゃい。りん、頑張るのよ。」



何を頑張るんだと思いながら
家を飛び出す。

走ると三分ぐらいでつく
村長の家。

コンコン!



村長の家のドアをノックする。


「あら、いらっしゃい。

待ってたのよ。」


村長の奥さんが迎える。

といっても、もう
おばあちゃんなのだが。


「おじゃまします。」


今回は村長に呼ばれている
とのことなので
すぐにリビングに通して貰った。


そこにいるのは
紛れもない村長でした。



「おお…よく来たのお」


見た目は優しそうな
ただのおじいちゃんなのだが。












one
時は来たり












 

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