リボーン小説

□出会いは偶然か必然か
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(どっどうしよう・・・)

(この黒い人怖い気がするのに、動けない!)

場所は並盛中学から少し離れた場所にある公園。

みかんのダンボールの中では茶色の物体がぷるぷると体を震わせていた。

その目前には、漆黒の闇を思わせる黒い瞳に黒い髪。

そして、陶磁器を思わせるような白い肌の眉目秀麗という言葉を体現するかのような人物。着ていた服は黒のスーツ。

その顔には、満面の笑顔が貼り付けられていた。

(笑ってるみたいだけど!笑顔が怖い人初めて見た!!!)

茶色の物体は更にプルプルと震え、顔面蒼白状態に陥る。(茶色だから分かりにくいv)

「お前・・・俺様のペットにしてやるぞ」

(えっ?今この人なんて言ったの?俺さまって言った?まさかの俺様キャラキター?!)

(それにペットにするって!この人に拾われるの怖いーーーー!)

あまりの恐怖にブルブルと震える茶色の物体の気持ちなんか知るかというように、笑顔の人物は乱暴にそれを持ち上げてスタスタと家路につく。

家に辿りついた黒い人物は、茶色の物体と一緒に風呂場に直行する。
 
いきなりお湯をかけられた茶色の物体は、キャンキャン泣き(鳴き)ながら
黒い人物の腕の中で暴れてしまい
 
「いいから黙って洗われてろ。じゃねーと殺すぞ。」

なんて恐ろしい一言と、鋭い目線にさらされる結果を招き

(やっぱ怖いーーー!誰か助けてーーーー!)
 
今まで以上の恐怖を感じた直後、茶色の瞳に涙が溜まり動けなくなってしまっていた。

しかし、シャンプーされドライヤーをかけてもらい

その上、美味しいご飯が出されていればその恐怖はどこかへ吹っ飛ぶ。

なんとも現金な子犬ちゃんなのです。

「やっぱお前可愛いぞ。俺の名前はリボーンっていうんだ。お前名前はあるのか?」

「リボーン?変な名前だね?」

その瞬間激しい痛みが子犬のこめかみを直撃し、悲鳴をあげる。

「躾がなっていないようだな!そして俺様は動物の声が聞こえる特殊体質だ!名前なんつーんだ!!」

黒い人物の名前はリボーン

彼を馬鹿にしてしまった罰を体に受けながら子犬は懸命に質問に答える。

「痛い!痛いー!ごめんなさい!許して!俺の名前はツナです!!!」

「ふん。次から俺様の質問にはすぐ答えろ。」

「はい・・・。ごめんなさい。」

(なんていうか・・・本当に俺様・・・。こんな傍若無人みたことないよ・・・。)

恨めしそうな顔をしながらも先程味わった痛みの為に涙が零れそうになっているツナ。

そんなツナを見て何故かニヤリと微笑むリボーン。

そんな一人と一匹の物語が始まる・・・
 
広いベットの上で、ゴソゴソと物音がする。

音を立てているのは、昨夜部屋の主である、リボーンが拾ってきた茶色の物体。

 (体が重いー!なんで動けないんだよぉ!)

またしても目に涙を溜めながら、必死になって暗闇から出ようともがいていたのは、ツナ。

 「うるせー。もう少し寝かせろ・・・」

まだ寝ていたい部屋の主であるリボーンは、ツナを抱きしめていた腕に更に力を込める。

 (・・・・。えっと・・・・・。)

状況を整理しようとして、考えること数分。
 
(もしかしてオレってリボーンの腕の中・・・?でもって一緒の布団で寝てる?なんでこんな状況なのーーー?!)

 最初に目覚めてからいったい何分経過したのかは分からないが、力いっぱい暴れるツナに根負けしたかのようにリボーンが起きる。

 「ちっ。俺様が気持ち良く寝てるのを良くも邪魔してくれたな・・・。覚悟しておけよ。」

 乱暴にツナの首根っこを掴みながらキッチンへと移動する姿は美しく、凛々しい。

 起床から数時間経過し、黒と茶色の一人と一匹は、とても陰湿な場所に居た。

 陰湿な部屋の主はこれまた陰湿な雰囲気の持ち主。丸い眼鏡に白衣を身に纏った男。
 
 
「私はこれでも忙しい身でしてね。コレを持ってさっさと私の前から消えてくれませんか。検体の確認は後日改めて連絡しますよ。」

 白衣の男はどこかイラついた様子で、言いたいことをリボーンに告げた。

 「俺様に飲み物一つ出さねぇのは、お前くらいだよ。ヴェルデ・・・。」

 ヴェルデが差し出した袋を受け取りリボーンはその部屋を立ち去る。

 ツナは分けが分からないまま陰湿な部屋に連れていかれ、陰湿な男に穴が開くのではないかというくらい見られ、なんの説明もなくズルズルとリボーンに引っ張られていく。

 (くそー!首輪とリードなんか嫌いだ!!!後でいっぱい文句いってやる!)

 心の中で叫ぶことしかできないツナはこの後喉が裂けるくらいの大絶叫を体験することになる・・・
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