Love which begins from a mistake.

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2.



久しぶりに残業がない金曜日



ああ!なんて素晴らしい日なんだろう!
と思いながら、
私、みょうじなまえは歩いていた。


『(久しぶりに一人で居酒屋にでも行って思いっきり飲んでこようかなあ)』


”どうせあんまり酔わないし”


そう、私は酒豪なのだ。
父からの遺伝らしく、飲んでも飲んでも全くというわけではないが顔が赤くなる程度であまり酔わない。


だがそのいつもの”どうせあんまり酔わないし”という意識のせいで後悔する事になるなんて、この時、私は全く思っていなかった。







「いらっしゃいませー!お、なまえちゃん!
久しぶりだね!相変わらずひとり?」


ここは居酒屋鈴木と言って私がいつも通ってる場所である。
ここを営んでいる鈴木幸さん(30歳・独身)を私も含め、常連はみんな”マスター”と呼んでいる。


『あ、どうもマスター!
悪かったですねー、恋人一人いなくて!』


「はっはっはっ!別にそういう意味で言ったんじゃないんだけどねえ。
なまえちゃん気にしてるのか、そうかそうか…」

と笑いながら言われ、
それにカチンとした私がむすっとしながら空いているカウンターの席に、
この歳になってみっともないのも気にせず、思いっきりドカッと座ったら、マスターも私が本気で気にしてるのがわかったのか、
ちょっと困った顔で「ごめんね」と謝ってきたので、
私が、「何かおつまみ一品おまけしてくれたら許してあげます!」と言ったら、
「しょうがないなあ」と言われた。
やった!



…とその直後隣から「はははっ!」と笑い声が聞こえ、
ああ、見られてしまっていたのか!と気付き、その恥ずかしさでだんだん顔が熱くいくのがわかった。


だが隣の人の顔を見た瞬間に私の表情は一変し、ただただ絶句するしかなかった。

「ああ、なまえちゃんは会うのは初めてだったよね。彼はこの店の常連で名前は豪炎寺修也くん。」

そう、私の隣に座っていたのは、
元イナズマジャパンのエースストライカーで現在はプロのサッカー選手で日本代表である
・・
あの豪炎寺修也だったのだ



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