カービィ
□甘い物はお好き?
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「できた!!」
あの大量の魔獣が発生した事件から2日後───レイはキッチンで額の汗を拭った。
ある昼下がりの城の1室、甘い香りが立ち込める中にレイはいた。
その香りの正体はケーキとクッキー。
甘そうなショートケーキと、アーモンドが入ったキツネ色のクッキーだ。
もうお察しの方も多いと思うが、全てレイの手作りである。
「さて、あとはクッキーの袋詰め、か!!」
そう言って背伸びをすると、買っておいた袋に何枚かのクッキーを包み始める。
このケーキは城内にいる人に配るもの、クッキーは街にいる人に配るものだ。
これからお世話になる、ということで感謝の気持ちも込めてレイが作ったものだった。
ショートケーキなら基本的にほとんどの人が食べれそうだしね。
うん、自分にしてはいい出来前。
フームちゃんとブンくん、カービィは2つとも食べそうだからケーキとクッキー、それから大王さんにかたつむr・・・エスカルゴン、ワドルドゥ隊長に・・・、
・・・ふと仮面の騎士の顔が浮かんだ。
甘い物を食べるイメージが全くないんだけど、大丈夫かな。
「ま、まぁ作っちゃったししょうがない!!」
自問自答して、クッキーの袋詰めを再開する。
みんな喜んでくれるといいな。
中学校の家庭科の5段階評価(技術も含む)、4の実力だよ!!
・・・中途半端だな!!
いつになく気分がいいレイは、ポケットに入っている紅染炉のことなんかを忘れるほど、気持ちが浮いていた。