カービィ

□戸惑いのお話
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────目が、覚めた。

レイは目を覚ました。













あのあと、無事部屋をもらったレイはもう夜も遅いということで眠りにつくことにした。
・・・といってもさっきまで倒れて眠っていたのだ。
なかなかねむれるはずもない・・・と思ったら案外ぐっすり眠れて。
まぁ疲れてたし、もともとよく眠る方だし。

もう朝なのだろうか?


・・・いやまだ夜のはずだ。

周りを見渡すと、この前の・・・あの、暗い空間にいた。
ただそこで目を開いただけであり。
実際に起きたわけではなく。
つまり・・・ここは夢の中か何かか?

・・・こういうのなんていうんだっけ・・・そう、明晰夢?


「───あの刀の使い心地はどうだったんだ?」

そんな声がきこえて私はあたりを見回すわけでもなく、ただ呟いた。

「・・・またあんた・・・?」

その声は、この前の同じ空間で意味の分からないことを呟いた声とうりふたつだった。

「あの刀、よくできてるだろ?神様の刀・・・なんて洒落てると思わねぇか?」

その声の主は姿は見えずとも、前のように淡々としゃべり続ける。
ただ、何だかこの前とは違う気がした。
何か・・・雰囲気とか喋り方が。

「神様のって・・・どういうこと?」

「あの刀の名前は紅染炉(くしろ)。意志を持った刀なんて珍しいだろ?」

・・・こっちの話なんて聞いちゃいない。
ちょっとは質問に答えろよ、なんて思っていると、また話しかけられた。

「で?どうだった、使い心地は」

使い心地・・・?
何でこんなことを聞くんだろう。

「うーん・・・手には馴染んでたよ」

「・・・そう。じゃよかった。だって・・・お前は・・・・・・・・・」




肝心なところで言葉が途切れる。

いや、違う。ノイズがかかっていて聞こえにくいだけだ。

目の前にまでノイズが走る。

それと同時にレイの頭に衝撃が走った。

まるで電気でも浴びたような・・・。

そんな衝撃に、レイは意識が保てなくなった。

微かに聞こえる声を聞こうと耳をすましても、倒れる方が早かった。





何も、聞こえない・・・。
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