カービィ

□わけありなお話
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「つまりアナタは・・・こことは違う別の世界から来たってこと?」

そうフームちゃんに質問されて私は勢いよく首を振り、肯定する。
もし此処がかのポップスターであるのならば、間違いなくそういうことになる。

「というか、部屋で寝てたらここにいたんですよ・・・」

「でも、なんで俺たちのこと知っるんだ?」

「あぁ、それはですね・・・」

と、言いかけて固まった。

これって言っていいのかな・・・?
歴史変わったりとかしたらあれだよね・・・。
先の展開知ってるもん。
・・・まぁここが何話あたりか、なんて分かんないけど。

私はよくあることを考え、頭をかかえた。

「ぽよぉ?」

カービィの一言で我に返り「あ、いやぁこっちの星にもカービィの噂が入ってまして・・・」と適当に誤魔化した。

「あなたはどうしてここに来たの?」

「・・・いや、分かんないんですよ・・・」

「・・・そう。それなら元の世界に帰れる方法は何かないの?」

そう聞かれて、私は考え込む。
いきなりここに連れてこられた私に、そんなこと分かるわけないけど。

「・・・まぁ少々ここにいてもいいかなー・・・なんて」

それにこれ夢かもしれないし。
手のひら痛かったけど。

「でもあなたはあなたのいた世界に帰りたいでしょう?友達や家族もいるだろうし・・・」

フームちゃんの気遣いが心に染みる。
ほんと優しい子だなぁ・・・。

「・・・でも帰るすべがないのでしばらく此処にいてもいいんじゃないかなーって思ってます」

何度も言うけど夢かもしれないしね。
まぁ明晰夢なんて滅多に見るもんじゃないけど。

「とにかくっ!!私たちだけで考えてたら拉致があかないわ。そうねぇ・・・メタナイト卿なら何か知ってるかも」

「メタナイト卿っ!?」

・・・あ。
ついつい声に出てしまった。

「知ってるのか?メタナイト卿・・・」

「いやいやいやいや、何でもないです・・・」

ブン君に聞かれて、真っ先に否定した。
てか卿に会えるって本当ですか・・・。

「とにかくいきましょう。えっと・・・そういえば、名前聞いてなかったわね」

「あ、はいっ!!レイと言います、よろしくお願いしますっ!!」

「レイね・・・。私とブンとカービィは何て呼んでもいいわよ。よろしくね、レイ!!」

あぁ、よかったなぁ。














***



私はフームちゃんの後ろについて、城の中を進んでいく。

隣ではカービィがぽよぽよと跳ねながらいつものようにに笑っている。
うん、多分卿に会えるのが嬉しいんだな。

低所恐怖症のストーカー卿に会えるのが嬉s・・・、

・・・いや、これ以上はやめておこう。

「あ、まずいわね・・・」

フームちゃんの呟きがさっきの私に向かって言ってるのかと思い、びっくりしてしまった。
しかし、フームちゃんは前を見て言う。

「?どうしたの?」

「あぁ、デデデの野郎だな・・・」

ブンくんも同じテンションで呟く。

・・・あぁ、大王様発見。

目の前には堂々と歩く大王さんの姿があった。
珍しいな、大王さんが歩いてるなんて。

あれか、原因は。

傍らにはカタツムリ・・・じゃなくて、エスカルゴンがいた。

「レイが見つかるとめんどくさいことになるわね・・・他の道を通りましょう」

このフームちゃんの意見に、一同賛成だった。

怪しまれないよう、今の人は誰か、ときいてみるとバカなこの国の王様だと言われた。

「卿にはやく会いたいなぁ・・・」

思わず呟く。
会ったらあの仮面剥ぎ取ってやりたい、という衝動に駆られたが、そんなことしたら嫌われるな、と思いやめておくことにした。
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