おでんと日本酒

□地下世界
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すべてが許されるような地下世界。
千尋はリードを持って、繋がれた羽瑠と歩いていた。鎖の音がして、羽瑠が立ち止まった。
「どうした?」
「おトイレ…」
羽瑠は俯いて、手を強く握っていた。
「おしっこかい?」
羽瑠は少しだけ頷いた。
「おいで」
千尋と羽瑠のリードが張った。
「…歩けない」
「じゃあ、ここでするのか?」
「…しない」
羽瑠が膝を擦り合わせながら少しずつ歩き出した。


千尋が羽瑠を連れていったのは男子トイレだった。そこでは何人かが用を足していた。そのうちの一人が千尋に話しかけてきた。
「兄ちゃん、いい女連れてるなー」
「どうも。この子、放尿したいらしいんですけど見ますか?」
「ええんか?見る見る」
会話に連れられ、他にも人が集まっていた。
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