おでんと日本酒

□研究ばかのカノジョ
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研究施設、エレベーターの中
男の手は羽瑠の服を通り抜け、羽瑠の湿り具合を確認する。
「びしょびしょだね。腿に伝わりそうじゃないか」
「うるさい」
目的のある階に着き、小さな声でそう言うと、羽瑠は男をおいて歩き出した。

羽瑠は千尋の研究室に着いた。部屋に入ると、千尋が器具の片付けをしていた。
「また痩せた?研究ばっかりだと早死にするよ」
「それならそれで本望さ」
「研究オタク。今度は何?」
「透明人間になれる」
「は?」
「光の屈折を利用するんだ…」
説明をしながら、千尋は倒れそうになった。
「ちょっ、大丈夫?また、おっぱい飲む?」
「…ああ」
研究室は様々な薬品があるため、基本的に食べ物の常備はない。それにも関わらず、千尋はよくそこに引きこもってる。彼女であり、相棒である羽瑠は女性ホルモンを調節する薬を飲んでいるため、赤ちゃんがいるわけではないが、母乳が出る。だから、しばし栄養失調になってしまう千尋に羽瑠は母乳を飲ませている。
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