天使と悪魔

□Wing4
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「フレン、フレン!」


「ど、どうかなさったのですか、エステリーゼ様…」




今日も制服を奪われたのかな、と思いつつ私服で廊下を歩いていたフレンを呼び止める。
彼は白と青以外に持っていないのだろうか。時に思うことである。


まあ、これは関係ないこと。





「また、悪魔の方に会ったのです。
彼女は…許されぬ罪を負ったと。ギルドの掟を破った…と」




「ジュディス……」




「ご存知なのですか?」





今、彼が呟いたのは多分、彼女の名前だ。
私は彼女の名前を聞いていないが、きっとそうだろう。




「……………」


「知ってるんですね。″前″の私はどうなったのですか?…なぜ、隠すんですか」




私だけが置いていかれる。

私だけ1人ぽっち。


フレンは、私が何かを知ることを拒んでる。
″前″の私を知ることを拒んでる。
何か、いけないことでもあるのだろうか。


私は知りたい。


それを知れば、ユーリに近づける。そんな気がする。
でも知ってしまえば後戻りはできない気がする。
それでもいい。知りたい、近づきたい。




「私は…!………………」



「…フレン?」



「貴女を守るためです。わかってください」




「わかれと言われても無理です!私は知りたい!!」



「……僕はあの日を繰り返したくないのです。…失礼します」





すれ違い様に香った夜の香り。わずかに、血の香りが混じっていた。
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