NARUTO.1

□e共同任務中
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「いいか?お前達二人に任務を言い渡す。今回の任務はAランク。霧隠れの忍びの追跡だ。簡単だと油断はするな。霧隠れの忍びといっても上忍だ。ヘマをすると死ぬぞ」


五代目火影の綱手様に呼び出され、シカマルと二人で火影室に来た俺。なんの前振りもなく、いきなり綱手様の口から出た言葉に、はぁ!?、と声を上げる。


「そ…そんな重大な任務に、なんで俺とシカマルなんですか!?ま、まぁシカマルはともかく…、俺なんかより、もっと上忍に任せれば…」
「里の上忍は他の任務に出て、丁度居ないんだ。それに、お前達二人は私が選んだんだ。もっと自信を持てキバ」
「……はい」


綱手様に言われれば任務を請けるしかない。だったらシカマルに迷惑が掛からないように頑張らないと、と思考を改め気を引き締める。ふいに横のシカマルを見てみると、面倒くさそうに欠伸を一つし上の空。
こんなんで大丈夫か…?
そんな心配を抱きながら、俺は火影室を出た。






綱手様が言うには、今から忍具を整えて直ちに追跡するように、とのこと。
それを考え、急いで忍具を整え終えた俺たちは、霧隠れの忍びを追跡するために早速行動に移す。


「そういやー、俺たち二人だけでの任務って初めてなんじゃねぇか?」
「あー、そうだったなー。…心配すんなって。シカマルの迷惑にならないようにするからさ」


シカマルを先頭に移動している俺は、ぽつりと独り言のように呟いた言葉を聞き取り、木々を移動しながらも少し俯き加減で言葉を放つ。その時のシカマルの表情は全然分からなかったけど、ふぅ、と息を吐いたことだけが分かった。
ふと顔を上げると、俺の前を走っていたシカマルが突然動きを止めたことに気がついた。


「シカマル?早く追わねぇと…」
「あのな、キバ。俺はお前のことを迷惑なんて思わねぇし、逆に、お前と一緒の任務でよかったって思ってる」
「…シカ…」
「綱手様も言ってただろ?キバはもっと自信を持てって。お前はすげぇ奴なんだから、俺が保障してやる」


急に止まったことに不思議そうな顔をしていた俺へ、優しい言葉が降り注ぐ。
この瞬間はもう、霧隠れの忍びを追うことなんて忘れていた。
ありがとうって言おうとした俺の言葉は、唇を塞がれたことで止められる。


「ん…ッ…んぅ…、……ッ!」
「ん…、どうしたんだよ」


深い口付けの最中、シカマルの匂いでいっぱいだった俺の中に、何か違う匂いが香ったことに気がついた。なにか様子が違う俺に感づいたのか、眉を寄せた顔でシカマルは唇を離す。


「敵だ、きっと霧隠れの…。人数は多分二人。少しだけ先の方にいる」





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