捧げ物

□生き抜くと誓った、あいつとの約束
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五代目に小隊長を任された。
俺はまだ中忍に成り立てで、ベストだって着なれていない。つい最近まで下忍だったのにだ。
何の冗談だよ、なんて考えていたが、その内容がサスケ奪還という任務だと知り、考えが切り替わる。
抜け忍になっちまったサスケを取り返しに行く。
そう考えると俺は、ぐっと拳を握り締めた。


収集した忍びは俺を含めて五人。俺、ネジ、チョウジ、ナルト、そして俺の恋人犬塚キバ。キバとの任務はこれが初任務だ。内心嬉しく感じつつも、不安な気持ちもそれ以上にある。
何にしろ、隊長なんて初めての事だ。俺がへましてこいつらを危険な目には合わせたくない。
その為には隊長として出来る限りの事をしよう、そう心に誓い俺たち五人は木の葉の里を出た。


「キバ、敵数はどうだ?」
「あぁ、匂いは薄いが…多分4人くらいか」


前を走っているキバの背に問い掛ければ、正確な答えが返ってくる。
俺の恋人、犬塚キバ。いつもギャーギャーうるせぇ犬っころだ。
たまに、何で俺はこんな奴が好きなんだって思うときが多数ある。
でも、答えは簡単。


「お前が個性的で可愛いからだよ、キバ」
「…はぁっ!?何言ってんだよアホ!」
「…あ」


つい考えてた事が口に出ちまった、なんて頭ん中で考えながら視線を前方へ。
視界に捕らえた顔を真っ赤にして怒鳴るキバは、また一段と可愛い。…やばい、俺重症。


「あ、じゃねーよ馬鹿マル!!」
「んなに怒んなよ。つーか、お前が可愛い事には変わりねぇし」
「だから、こんな時に言うなよな!」
「あー、はいはい。ちっと黙れよな」
「ばっ…!!」
「…なぁなぁ、二人ともー」
「何だよ、今いいとこ………あ」


いつの間にか言い争えば口うるさいキバの唇を塞ごうと、いつものように顔を近づける。
だが、寸前のところでナルトの声に止められ、眉を潜めて振り向く。


「任務中にイチャつくの、やめてほしいってばよー」


あ…やっべぇ、俺ら二人だけじゃなかったんだった。






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