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□セガノビール
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「ショウ、これ飲んでみて」
部屋でマンガを読んでいるオレに
いきなり藍は小さな瓶のようなものを差し出してくはり。
中には見るからに怪しそうな緑色の液体が入っていた。
「な、なんだよそれ」
「飲んだだけで背が伸びる、ショウにうってつけのドリンク、セガノビールさ。博士にもらったんだ」
「うってつけとか言うなっ!これでも気にしてんだっ!」
謎の液体の事を聞いただけなのにバカにしやがって。
くそぅ・・。
「効き目は速攻。必ず背が伸びる。どう?試してみない?」
「ふんっ、いらねーよっ」
そんな意地を張っているオレの弱いところを突くようかのように
藍はさらに続けた。
「ショウ、こないだバラエティの時、出演者に『君、背ちっさいのがもったいないねぇ』とかって言われて一日中、部屋から出てこなかったじゃない」
「うぐ・・っ」
「それに女子にモテたいんでしょ?ちっちゃいという理由で春歌にも逃げられるかもしれないよ。それでもいいの?」
「ぅぐぐぐぐ・・・・だーーーっ!!!!!わかったよ!それ貸せっ」
次から次へと藍に痛いところを突かれ続けられるのにとうとう耐えられなくなったオレは強引に藍から瓶を奪った。その時藍が少し笑ったような気が、した。
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