short

□お前はオレのもの
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「...こいつは俺のもんなんだよ」

そう俺が告げると、
腕の中で春歌が暴れ始める。

「あっあの..っ黒崎先輩っ!?」
「いいか、嶺二。」

今回は、こいつだけは誰にも渡したくなかった。


「....へぇ〜このランランがねぇ〜...。後輩ちゃんのおかげかもねっ!」

言って、俺に視線を送る。


「.....じゃあぼくちん行くね!ぼくは空気読める子だからぁ、お邪魔虫は退散しなきゃっ。
てなわけでこの曲はランランが歌うって事で上の人には言っとくからっ」



バタッ



嶺二が去っていく。
あいつなりに気ぃ使ってくれたのかもしれねぇな...。
後で礼でも言っとくか....っと、
んな事よりこのあたふたしてる春歌をなんとかしねぇとな。


「おい、」
「はっはいっ!」

「嶺二、この曲から降りたみてぇだぜ」
「そ、そのようですね..」


我ながらズルいなと思ったが、
これからはこいつとならどこまでもいける気がした。


「お前、気に入った。この曲は俺がうたってやるよ。俺、一人のソロとしてな」
「えっはいっ!ありがとうござい、ます」

戸惑う春歌にぐっと近づいて、


「...あぁ、それと、今からお前は俺のもんだから。それだけ覚えとけ...。」

ふっと笑いながら囁くと、
顔を真っ赤に染めて俯いた。


(はっ。可愛い奴..。)


こいつはぜってー手放せねぇな。





(もう嶺二に近づくんじゃねーぞ)
(...?)
(良いから近づくんじゃねー///)










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