short
□お前はオレのもの
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「黒崎先輩っ!」
後輩の春歌がオレを呼ぶ。
「んだよ」
「曲が出来たので聴いて下さいっ!」
「言っとくがオレはロックじゃねぇと・・ー「自信ありますっ!」
オレが言いかけ途端、自信があると抜かしやがった。
ハッ、なんて生意気な奴。
「曲流しますね!」
「あぁ」
オレが返事をすると曲が鳴り始める。
〜♪〜♪
「ッ!!!?」
なんだ?この曲は....。
情熱的で激しい.....かつロックを奏でてやがる...!
女の曲ってのが悔しいが、曲が終わっても
オレの中のロック魂が鳴り止む事は無かった。
その時だった。
「ぐっもーにんっおはよーちゃんっ!」
バンッと勢いよくドアを開けて入ってきたのは・・、
んだよ。嶺二かよ。
「なんで嶺二がいんだよ!」
素朴な疑問を口にすると、
春歌は俺と嶺二の間に割って入ってくる。
「..実は今回の曲は黒崎先輩と寿先輩のデュエット曲なんです」
「そーそー!てなわけでランランっ!ヨロシクちょっ!」
そういって嶺二はウインクして見せた。
(は................................?)
この曲を嶺二と歌うってのかよ?!
「...ねぇ、...よ」
「ランラン?」
「....冗談じゃねぇー!この曲は俺だけで歌う」
俺はそう決めたんだ。
2人は心底驚いたようだったが、もうそんな事気にならねぇくらいに
あいつの歌に惚れちまっていた。
「でもっ!この曲は!!って....黒崎先輩っ!?」
がばっ
何か言いかける春歌に構わず、ぐっと引き寄せる。
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