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□かわいがってあげる。
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「くしゅっっっ!!」
部屋に彼女のくしゃみが響きわたる。
ピピピピッ
38度か..。
完全に風邪を引いちゃったのね..。
仕方ない、可愛い彼女の為だ。
ここは彼氏である俺がしっかり責任を持って看病をしよう。
なんて意を決した時
トンっ
「あぁっ!ダメよ春歌ちゃんっ」
布団から出ようとした春歌ちゃんに
無理やりアタシはすぐさま寝かせ、布団を掛ける。
「あの、林檎さん。私、急ぎの作曲もしなきゃいけないので寝てるわけに..って、きゃっ」
「ダーメっ!あなたは風邪を引いてるのよ?今日は安静にしてなさい。....それに今仕事をしても効率が悪いわ。ゆっくり休んでからにしなさい?」
もう...。
仕事ばっかりなんだからっ。
それに最近、顔色を見るに忙しくて食事や睡眠もあまり摂れていないようだし..
彼女にこんな時まで仕事の事を考えないでゆっくり休んで欲しいしアタシにできる事は何でもしてあげたい。
...だってアタシは春歌ちゃんのカレシなんですもの!
「今日はアタシがついてるからアタシにできる事あったら何でも言ってちょうだいねっ」
「林檎さん・・。」
"ありがとうございます・・!"
そう彼女ははにかみながらアタシに言った。
しかしその笑顔にいつもの元気はなかった。
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