short

□おまえが好きだ
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「なぁ、オレ達、付き合わねぇか・・?」


翔くんにそう言われたのは今から半年前の事でした。
翔くんはアイドルだから堂々と道を歩く事もできないし、付き合っていることを誰にも相談できない事は辛かった。
付き合い始めた頃もお互い慣れてなくて、ドキドキしていたけど・・、
最近は少し近づけてきている気がしていた。

そして今日で半年が経つ。



「もう半年経ったんだ ..」

私はカレンダーを見ながら呟いた。
あれからたくさんあったけど、
一番忘れられないのは私の誕生日のあの日。

二人で遊園地に行って...
翔くんと初めて...その..




・・キスをした・・ー。






◆◆◆◆◆◆◆◆◆



あの日私は翔くんに誘われて遊園地に来ていた。
もちろん、バレないように変装もして。
今日は平日なのにすごく人が多くて迷子にならないか心配になるほど周囲は賑わっていた。


「人多いし、はぐれるなよ。お前、ドジだから」

そう言って笑う翔くん。
その笑顔の眩しさに胸が高鳴った。

(2人で出掛けるの本当に久しぶりだな..)

私は喜びを噛み締めていた。



「さぁーって!!せっかくだし色々乗って回って楽しもうぜ!!」
「うんっ!!」


私は頷いた。
ぎゅっと繋がれた手を笑顔で握り返して。


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