航海*理想の街
□大切な人
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「ゾロ〜!」
いつもの昼飯時、本来ならたしぎが海賊学園と海軍学園の狭間のフェンスを超え、こんな風に屋上によじ登ってくるが、今日はあいにく、あいつは風邪をこじらせ、寝込んでいる。
ならば、この声の主は、1人しかいない。
「…ナミ…」
同じクラスの、ナミだった。
俺とたしぎが付き合っている事を承知で毎日のように俺らの食事に無理やり参加する。
「あれ?たしぎちゃん今日休み?うわっ、ラッキー♪」
「おい、ラッキーてなんだ(怒)」
するとナミは悪っそうな笑みでこう言った。
「ねえゾロ〜、そんな一途だと人生つまんないわよ?
何も減るもんじゃないしさ、あたしと(仮)カレカノになろうよ。」