ネタのタネ

□ネタ集・時乙女(Fate/Zero)
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〈桜・雁夜救出〉



それは、満月の夜だった。
暗く閉ざされた闇の中で、神秘的な後光が煌めく女神に手を差し伸べられた。













『え?頼みだって?』


第四次聖杯戦争が開始する数日前の事である。
復讐者、エミヤが自室でのんびりと過ごしていた麗を訪ねていた。


「ああ。私の話を聞いて欲しい。」

『結構、深刻な問題だったり?』










復讐者・エミヤは麗が召喚したサーヴァントの中で唯一未来から喚ばれた英霊だと言う。
そして、奇遇な事にその元となる人物はこの冬木の地に住んでいると言う。
そんな彼は、この聖杯戦争の結末とその後の聖杯の実態について話した。
何と、聖杯戦争終盤に冬木で大火災が起きるらしい。
その上、肝心の聖杯が汚染されているのだと言う。願いを叶えようとしても、それは「人を殺す」と言う結末に歪めて解釈し叶えると言う物だった。


『って、ちょっと待って。何故そうなったし。汚染されたって?』

「私もそこまで詳しくは知らない。だが、君の時間の創造主としての権限を使えば私の知り得ない事まで掴めると思うんだが。」

『あー、確かに。手っ取り早い方法がそれよね。』


スッと目を閉じた麗はこの世界の平行世界の過去から未来の光景を観測した。
その表情は段々険しい物に変化していくのを見てアベンジャーは何を見ているのかと少し戦々恐々となる。(何せ、黒く禍々しいオーラも滲み出ているのだ。)
目を開いた麗はすくっと立ち上がると、恐らくこれが初めてであろう爆弾発言を投下させた。


『………取り敢えず、あの蟲ジジイを殺しに行くか。』




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