ひとつ
□君の…
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「紫苑!ごめーん、寝坊したぁ!」
向かいの信号にいる里亞はウキウキしていた。
「今そっち行くからぁ!!」
青信号に変わり、里亞がこっちに走ってくる…大好きな…里亞。
その横から…キャリアカーが勢いよく走ってきた。
「里亞戻って!!」
「うわわっ…」
里亞は戻るのに間に合った。
間に合った…けど…、
避けようとしたキャリアカーがそのまま信号機へ衝突…、信号機をつなぐ電柱は里亞へと傾いた。
「……ぇ…?」
「嘘……里亞ぁぁぁああ!!」
まさかの出来事に反応しきれなかった里亞は、倒れる電柱に足がすくみ、そのまま電柱と乗用車の下敷きになった。
そう…これが…
里亞が目の前で眠ってる理由。
†