ひとつ

□ピアス
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「…ただいま。」



「おかえり〜!」


ドタバタとやかましい母親だが、これでも俺と血の繋がった母親だ。



「…あら?
それ、恋愛の極意じゃない!」



…しまった!
レジ袋が透けて見えていたようだ。



「お母さんも読みたかったのよ!
ていうか大樹もようやく恋愛に目覚めたのね!えいちゃん、えいちゃぁぁん!」




「…なんだい?歩。」



母、歩(あゆみ)
父、栄太(えいた)



…これだけ紹介しておこう。


もうこの場に居たくない、
恥ずかしすぎる。



俺は影の様に気配を消し、自分の部屋へ直行した。







そして、初めて買った恋愛本。
開くのを少し躊躇いつつ、そーっと開いた。





「…何だ、目次か。」


緊張して開いたにもかかわらず、
開いたページは目次だった。





そして運命の一ページ。








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