ひとつ

□玩具
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「店長!バイトの奴、
面接来ましたよ!早く!寝てないで!」




「うーん…昼くらい寝かせろよ。

まぁいいや、行ってくらぁ。」

























「んで?あんたがバイト?」



「はい、菅野翼(すがの つばさ)といいます。店長さんは、本橋恵(もとはし けい)さんですよね?」





「おう、そうだ。店長と呼べ。」



良さそうなバイトが入ったなこりゃ。

こき使ってやるか。




「あー、仕事内容だけど…」



「あ、大丈夫です。
俺前のバイトも居酒屋だったんで。」




「おー、そかそか。
んじゃあシフト決めとくから。

とりあえず今日、よろしく。」




「あ、はい。」





柔らかい茶髪に切れ長の目。
ルックスはいいな。

お得意様が増えると良いけどな。















俺の昼寝の時間は面接もどきに消えてしまい、忙しくなる時間が刻々と迫っていた。





「っし、今日も稼ぐか!」




汗がたれないように頭にタオルを巻き、長いエプロンを腰に巻いた。











「おっ、恵ちゃん!
今日もイケメンだねー!」


「ありがとうございます!
水島さんはいつものでいいっすか?」




「おうよっ!
生二つ、よろしくな!」



「はい、かしこまりました。」
















「生二つー!
あとおまけでつまみもよろしくな!」





「本橋さん…。」



「お、何だ?新入り。」


「菅野か翼って呼んでくださいよ。

すいません、
酔っぱらいの対処法が…」



「あぁ?
おめェそんな事もできねぇのか。


…まぁいい、俺がやるから
とりあえず頭にぶちこんどけ!」



「…………はい。」




その沈黙何だよ、
文句でもあんのかコラ。







「いーやーだ!
まだあたし帰りたくない!」


「ですがお客様…。」



数人の店員でかかっても怯まない女性のお客様。何だか手強そうだ。



酔っぱらった所為か、
髪の毛もボサボサで幽霊かと思った。


整えれば綺麗な顔してんだろうな。






「お前ら仕事に戻れ。
後は俺に任せろ。」



「ですが、店長の手を…」



「邪魔なんだよ、
さっさと仕事しろ。減給すんぞ。」




「は、はい!」




…そんなこたァしねぇけどな。









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