ひとつ

□薬品
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「ん…弘樹(ひろき)ー、ただいまー。」






しーん…




チッ…また実験してやがる。


俺高校生だし勉強だってあるよ!
だからって実験に依存するとか辞めてくれよ…。



「馬鹿、誰が依存してるって?え?」



「は、はい、サーセン。」


「ったく…千明(ちあき)って本当妄想力豊かだよね。」


「弘樹こそ…!
依存まではしてねーだろうけど…実験ばっかしてんじゃねぇかよ!」


「あー、うん。
惚れ薬とか、素直になる薬とか。」


妖艶に微笑んだ弘樹の考えていることはだいたい想像がつく。俺に利益は無い。





「それってもしかして…」


「うん、千明に使うの。」



「ふざけんじゃねぇ!!


俺ァ明日も朝練あっから、たまには仕事場行けよ?エリートなんだろ。」



「もう…千明までエリートなんて言うんだから。」



ぷくぅっと頬を膨らました弘樹。
クールな顔立ちの弘樹には正直似合わない。





「んじゃ、夕飯作るから待ってて」


「りょうかーい。」




弘樹が夕飯を作り始め、
俺は担任から出された課題をまとめていた



途中、冷蔵庫の麦茶を出し、渇いたのどを潤した。弘樹が次々と料理を並べ、俺はそのまま麦茶、弘樹は缶ビールを手にした




「「いただきます。」」



テレビではバラエティ番組がやっており、その番組に俺は釘付けになっていた。




「こらっ、箸を動かす。」



「…へーい。」




















「弘樹ー、風呂沸いたよ。」



「一緒に入る?」



「馬鹿!!」



そう俺が言ったら、弘樹は軽く笑って風呂場へ行った。弘樹はいつもそうだ。俺だって弘樹のことは大好きだけど、普通実験中の薬俺に飲ませるか?



さっき一緒に入る?とか聞いてきた時だって小さな小瓶をチラつかせてきた。




そんな変なやつに惚れた俺も俺だけどさ。







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