ひとつ

□構わない
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「はぁ…。」


僕がため息をつけば、
そのため息は雲となって現れた。


幸せを逃がさない為に、咄嗟に魔力をつかった。もふもふとため息で暫く遊んだあと、僕はそのため息を飲み込んだ。


まるで綿あめを食べている感覚なんだ。



「…ん、ごちそうさん。」


そして僕はまた、ふらりふらりと宿を探し街を歩く。

だがそんなんで宿が見つかれば苦労しないし、こうしてフラフラする必要もない。僕はバーとかキャバクラを行ったり来たり。


キャバクラはお姉さんたちが僕に惚れ込んで全部タダにしてくれるから便利なんだ。



そんな悪知恵や、女の人を落とす知識を持っていても、僕にだって知らないことがある。




それは恋だ。



恋は落ちると聞いた。



「…恋って作れるのかな?」



僕はふぅっ…と甘い息を吐き、
ピンク色の気体を作り出した。




「ほぁちゃっ!」



…無理だ。












「ん…?あれは…人?」



高い学校の屋上をフラつく少年。
…どうやら飛び降りようとしているのかもしれない。



…てかあれ、僕の学校!



目立つ所で目立つ魔法を使うわけにもいかず、僕は全速力でその少年の真下に駆けつけた




既に少年は空中に居て、僕は精一杯の力を手のひらにこめ、魔法でその少年を死なせずにすんだ。



その少年は死のうとしてたくせに
何故か笑顔だった。



「……助けちゃったんだ、俺のこと。」



「…悪いね、僕は助けたつもりなんてないよ?ただ後で事情聴取とか、めんどくさいし…今あんたが僕に触れた時点で僕と関わりを持った。だから当然僕も迷惑する。」




「ふーん?面白いねっ、君。」



面白いかー?




「僕は雪夜(ゆきや)、あんたは?」








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