短編集
□通りゃんせ
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副長と見廻りで信号を待っていた時
「そう言えば、信号が変わったときに音がなりますよね?
ピーッピーッーって」
「あぁ、それがどうかしたのか?山崎」
「前まで『通りゃんせ』だったじゃないですか!」
「『通りゃんせ』?」
あれ?副長知らないのかな?
「『通りゃんせ 通りゃんせ
ここはどこの 細通じゃ
天神様の 細道じゃ
ちっと通して 下しゃんせ
御用のないもの 通しゃせぬ
この子の七つの お祝いに
お札を納めに 参ります
行きはよいよい 帰りはこわい
こわいながらも
通りゃんせ 通りゃんせ』ってヤツですよ!」
「なんか嫌な歌だな」
「そうですか?」
―――――あのときはあの唄で俺がこんな目にあうなんて思ってもみなかった――――