アデソド部屋
□お前なんかっ
1ページ/4ページ
アデルと喧嘩した。
きっかけなんかホントに些細な事で。
でも、アイツが……アデルがあんなこと…オレに言うから…オレはアデルをぶん殴って 部屋を飛び出した……
お前なんかっ
部屋を飛び出した。それもRRの本部にある アイツ…アデルの部屋。しかも飛び出した…は良いけど…雨だ。外は生憎の雨。当然オレは傘なんか持ってない訳で…
「…さて、どうすっか…」
独り言を呟いたものの、それは雨の中に消え、掻き消されて、……鼻の奥がツーンとなるのを抑えて スキャッグスの自分の部屋へ向かった。
薄暗い廊下を抜ければ直ぐに自分の部屋だ。そう思い一歩一歩進む度に余計 気が重くなる。
やっと自分の部屋の前まで来た。そして扉を開けようとした時、不意に後ろから声をかけられた。
「随分、泣きそうな顔してんのな……ソドルタ。」
「……バジル…さん…」
そうオレの1番の理解者そして恋人でもあるバジルさん。バジルさんはオレとアデルの関係を知っている。だけど、業と黙認してくれている。前に理由を聞いたけど
『お前が望むんだったら俺は止めやしねぇよ』
バジルさんらしいや。バジルさんはあまり深くは追求してこない。優しいから。
「………馬鹿が…傘もささねぇで…風邪引いたらどうすんだ」
「…傘…持ってなかったから…」
「…ハァ…まぁいい、取り敢えず中に入れ。体拭け。ホットミルク作ってやっから。あと その顔の訳もな。」
オレは何も言葉を発さずに静かに頷きバジルさんの部屋に入った。